2020.09.10

【記者コラム】絶妙な人との距離感

先日、体験型店舗「b8ta(ベータ)」を日本で運営するベータジャパンを取材し、北川卓司カントリーマネージャーに話を聞きました。初めての取材でしたが、深い話ができたと思っています。

ベータジャパンの最大の魅力はなんですか? と質問したところ、北川さんは「人です」と力強く返答しました。私はきっとテクノロジーだろう、と予測していましたが、真逆の返答だったので驚きました。

――それはなぜですか?

「テクノロジーを駆使しても、そこには人がいます。SNSでのライブ配信も、ライブ配信機能はテクノロジーですが、配信するのは人です。その人が何を伝えるか、そこが重要だからです」

さらに話を聞くと、商品をベータに出品したい場合、約4週間程度の時間がかかるのですが、そのうち2週間は、商品知識や従業員教育に時間を注ぐそうです。それほど「人」が重要になるということのようです。

ベータは「売り」に行かない、商品の体験を重視しています。店舗スタッフは、来店客から呼ばれたら、話に行くという仕組みを設けています。
来店者が目的とは違う商品に手を触れ、新たな体験をしてもらうことも重視しています。

北川さんは「売れたことよりも、なぜ買わなかったのか、触れなかったのか、そこが重要だ」とも話していました。

売りに行かない接客、そして商品の体験のみを顧客へ訴求する。こうした絶妙な人との距離感は、店舗もECサイトも新たな接客の一つなのかもしれません。

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