2024.08.30

【「SHIPS」が「Smartpay」導入した理由は?】シップス 萩原氏、高橋氏、Smartpay 大坪氏「3回分割で手数料無料は画期的」

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写真左からシップス 萩原千春販売促進部長、Smartpay 大坪直哉マネージングディレクター、シップス 高橋邦之課長


Smartpayは、手数料無料で3回払いの後払い決済(BNPL)サービス「Smartpay(スマートペイ)」をEC事業者向けに提案を強化している。8月20日、衣料品のセレクトショップを運営するシップスに「Smartpay」を導入した。Smartpayの大坪直哉マネージングディレクター兼最高収益責任者が、シップスの販売促進部 萩原千春部長、デジタルマーケティング課 主任 高橋邦之氏2人と、Smartpayを導入した経緯と導入後に期待する顧客体験について語り合った。


――シップスの現状の決済手段について聞きたい。

高橋:当社のECはでは、クレジットカ―ド、代引き、ペイペイ、楽天ペイ、アマゾンペイ、GMO後払い、ペイディ、d払いをそろえている。このほか、「店頭決済」がある。これは、店頭で希望するサイズや色など商品在庫がなかった場合、その場でECサイトから注文して、店頭で希望する手段で決済できる。店頭で目当ての商品がなかった時に購入できないという体験をしてほしくないという思いで「店頭決済」を導入している。

ECでは、クレジットカードが約6割と最も多く、コンビニで支払う後払い決済については、年齢層が高めの人が多い。その一方でスマホを中心とした後払い決済については、若年層の利用が目立つ。支払い方法を増やしていることもあり、クレジットカード以外の決済に利用が分散している。特に、若年層はクレジットカードを持っていない人も増えており、必要に応じて決済手段を増やしている。

萩原:熱心なファンを抱えるコレクションブランドであればどんなに使い勝手が悪くても購入する。しかし、当社のような競合の多いセレクトショップで、さらに顧客の価値観が多様化していることも踏まえると、ニーズに応えられない時点で選択肢から外れてしまうため、例えば決済においても多様な手段に対応することが求められている。決済手段を増やせば、運営側の負担は増えることもあるが、顧客体験が向上することの優先順位は高い。

――「Smartpay」の現状は?

大坪:海外の事例から見ても、トレンドとシーズナリティ(季節性)があるファッションECを中心に親和性が高いと考えていた。季節ごとにトレンドがあると、少々価格が高めになるケースも3回の分割払いが可能になれば購入しやすくなる。

実際に導入した企業では、平均購入単価が4割アップとしているが、ファッションに限れば6割から7割アップする。例えば1万円の予算で洋服を購入しようとして、分割で購入できるとなれば心理的な負担が軽減され、追加購入につながっている。


▲Smartpayを導入すると平均購入単価、コンバージョンが上昇

――「Smartpay」導入を決めた経緯と期待していることは?

萩原:2023年4月に初めて提案を受けた。すぐには導入には至らなかったものの、Smartpayの可能性を感じていた。3回分割でユーザーの決済手数料がかからないという点が画期的で魅力に感じたため、導入を決めた。

コロナ禍以降の新しい生活様式や物価高の状況により、消費者の可処分所得が減っているとも言われる中、洋服にかける費用がより慎重になっている。その中で、欲しいと思った時に分割で購入できる顧客体験や優位性は高く、とても期待している。

また、Smartpayのキャンペーンで認知を広げているほか、分かりやすいUI・UXで顧客体験が向上することも期待している。

大坪:Smartpayのユーザーは、お金がないから分割するのではなく、ライフイベントが多いため、一度に使う金額を調整するために利用する。SHIPSでもSmartpayがなくても購入する人は多いと思うが、もしあればもっと購入する人が多いと期待している。私もSHIPSのファンの一人としては大いに期待している。

萩原:年々、カート放棄率や転換率が厳しくなってきている。ウィンドウショッピングまではしているが、購入につながらないケースも増えている。Smartpayの導入で、追加購入の後押しをしてくれる有力なツールになってほしい。


▲Smartpayは500店舗で導入

大坪:Smartpayは、クレジットカードや銀行口座との連携に加え、若年層に利用が多い、顔認証のみで決済が完了するアップルペイとグーグルペイと連携し、4月からはオフラインでの提供も始めており、利用できる業種・業態も増やしていく。

萩原:顔認証だけで決済ができるアップルペイやグーグルペイとひも付けている点は、ユーザーのUI・UX体験が期待できる。

また、ECは店頭と違い、他の商品とコーディネートとするセット率が低い傾向にある。このセット率と顧客単価の向上に期待している。

高橋:当社としてもSmartpayの利便性を知ってもらうために、共同でプロモーションも検討していきたい。

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