2024.07.03

ELEMENTS、ファッションEC画像の色調整を一括処理 生成AIを活用、担当者の工数削減

生体認証や画像認識サービスを展開するELEMENTSはこのほど、ファッションEC企業向け画像生成AIツール「SugeKae(スゲカエ)」に、生成AIで商品画像の色味を一括調整する色温度調整機能を搭載した。従来の1枚あたり3分程度かけて行っていた作業の時間を約5秒に短縮でき、画像編集作業の大幅な効率化を支援する。

ELEMENTSの提供する「SugeKae」は、画像編集技術を持たない人でも、元データと参照画像をアップロードするだけで、背景やコーディネート、商品のカラーをすげ替えることができるツール。複雑なプロンプト(指示)を入力する必要なく、誰でも簡単に、商品画像のリメイクなどができ、撮影工数を削減する。

このほど、商品画像の編集担当者向けに、撮影環境による実商品との色味の違いを生成AIにより自動で一括調整する色温度調整機能を搭載した。商品の正しい色味の画像(参照画像)と、撮影画像をアップロードするだけで、トップスやボトムスなど対象範囲を自動選定し、色調整まで実施する。



既存の色調整ツールは1枚ずつの対応が多いのに対し、「SugeKae」は参照画像をベースに構図の異なる画像でも対象範囲を自動選定し、最大100枚を一括調整できるという特徴を備える。 ELEMENTSグループで培った画像データの学習基盤構築ノウハウを活かし、実現している。

人手で1枚あたり約3分かかっていた作業時間を5秒程度に短縮可能。100商品に対し、1商品あたり20枚の画像を用意する場合、合計100時間を要していた作業が3時間で完了し、約97%の工数を削減する。



参照元となる画像の色温度データをAIに学習させ、異なる見た目の服の色を正しい色に再生成する。色の感じ方には個人差があり、光や影が複雑に入り交じる色を手動で調整するのは技術的にも難しいなか、生成AIにより高精度な調整を安定的に実現する。

これらの特徴により、企業は工数をかけずに実物に近い画像を用意でき、購入率の増加や返品率の防止への貢献が期待できるうえ、空いた時間をより質の高いクリエイティブ作成業務に利用することもできる。

導入企業が納得のいく画像だけを利用できるよう、生成画像の内、ダウンロードした枚数を課金対象とし、1ダウンロードあたり22円(税込)~と利用しやすい料金体系を採用している。

経済産業省によると、2022年の国内の消費者向けEC市場は22.7兆円と5年前に比べて約4割増え、EC市場規模は年々拡大している。ECサイトにおける商品画像作成は、購入を検討する顧客に商品の特徴や詳細を伝えるために企業がもっとも重要視する業務であり、中でも商品の色味は、顧客のイメージを手助けし、購入の後押しに加え、返品率の削減にも影響するため、正確な再現が求められている。

一方で、商品の撮影状況などにより色味の違いが生まれるため、担当者が1枚ずつ画像編集作業をしている実態があり、1商品あたり平均20枚程度の画像を用意するケースが多いなか、商品ごとに全画像を色調整するのは工数が膨大になる。

こうした課題に対してELEMENTSは、自社で研究開発をしている強みを活かし、顧客の現場の具体的な作業を生成AIにより実用レベルで効率化する解決策を提案し、短期間で機能追加の対応を実現した。

今後もファッションEC現場の使いやすさを重視し、業務効率化につながる機能を開発していく考えを示した。




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