2024.02.23

アダストリア、東京23区初『ドットエスティストア』開設 新井事業部長「会員獲得数は2倍」とOMO型店舗に手応え

アダストリア ドットエスティストア事業部長 新井和路氏(左)、「ドットエスティストア 浅草ROX・3G店」の様子(右)


都心で「ドットエスティストア」の展開強化


これまで地方を中心に「ドットエスティストア」を展開してきた。

「ブランドの出店していない地域に『ドットエスティストア』が来ると、『うちの地域にもこのブランドが来た』と喜んでいただける。当社としてもブランド単体で成立しない地域で『ドットエスティストア』が成立すれば良いことだ。実際、これまでは成立していると考えている」(同)と話す。


▲全国で「ドットエスティストア」を展開

今回、東京23区に初めて出店した。

「マーケットが大きい都心に展開することの期待も大きい。インバウンドの取り込みにも有効だ。今後、都心も重点的に出店していく。『ドットエスティストア』ができることで、近隣のブランド店舗と食い合うのではなく、相乗効果があることも分かっている。ターミナル駅の施設などへも出店したい。これまでにない規模の店舗も計画している」(同)と言う。

来期(2025年2月期)は「ドットエスティストア」を10店舗展開する計画だ。


「浅草」「サンリオ」でインバウンドにも期待


「浅草ROX・3G店」では、インバウンドの取り込みにも期待を寄せている。


▲初日から日本のファンや海外顧客でごった返す

「浅草という場所もあり、インバウンドにも期待している。サンリオさんとのコラボでさらに来ていただけることに期待している」(同)と話す。


▲「浅草ROX・3G店」の一角にサンリオコラボの特設コーナー設置

サンリオのキャラクターとのコラボ企画は、「浅草ROX・3G店」だけではなく、他の「ドットエスティストア」、ブランド店舗、ECサイト、メタバースなどにも展開している。サンリオピューロランドでも商品を販売している。1年かけて大々的に展開するキャンペーンだ。


▲さまざまなキャラクターとブランドがコラボ。人気アイテムはECで即完売

「今回、サンリオさんの人気キャラクターとのグリーティングイベントも実施する。今後もリアルならではの体験価値として、コラボの価値を生かしたリアルイベントを実施していきたい」(同)と語る。


リアルとECの相互利用でLTVは数倍に


「ドットエスティストア」では来店するだけでポイントを付与するサービスも提供している。

「毎日、お店に訪れてポイントを獲得しているお客さまもいる。当社としては来ていただけるだけで価値がある。1年間お買い物をされないお客さまはいても、2年間全く買い物しないお客さまはほとんどいないというデータがある。ポイントは使うために獲得している。ポイントをより使っていただけるように、利用期限を早めている。その方がポイントが失効せずに使っていただける」(同)と話す。



会員獲得にも「ドットエスティストア」は有効だという。

「店舗平均の会員獲得数は全ブランドの店舗で圧倒的に1位。『ドットエスティストア』では1店舗当たり年間3000~5000人を獲得している。マルチブランドだからということもあると思うが、幅広いお客さまを受け入れられている」(同)と話す。


▲会員獲得にも「ドットエスティストア」は有効

ECサイト「.st」では、マーケットプレイス(他社ブランドの出品販売)も提供しているが、マーケットプレイスにおける「ドットエスティストア」との相乗効果もあるという。

「『シロカ』さんや『靴下屋』さんなどの商品を『ドットエスティストア』の店頭で販売する取り組みも実施している。出品商品を当社の店頭で受け取ることもできる。人気スタッフのバヤコが『靴下屋』さんとコラボアイテムを企画したりもしている。そのコラボアイテムを当社の店舗で販売するだけではなく、『靴下屋』さんの店舗にバヤコが来店して販売する取り組みも実施した」(同)と話す。

今後もOMO戦略の核として、「ドットエスティストア」の展開に注力する。

「リアルだけでお買い物をするお客さまがまだまだ多い。そのお客さまがリアルとECの双方を利用していただけると、LTVが数倍に跳ね上がるというデータもある。『ドットエスティストア』を始めてから、顧客のアクティブ比率が10%ぐらい増えている。ECから見てもリアルがあることで価値が上がり、リアルもECと連携することで価値が上がる。それがOMOということだと思う。2つで1つの仕組みを作る方向で考えている」(同)と語る。






RECOMMEND合わせて読みたい

RELATED関連する記事

RANKING人気記事