2020.06.04

ナノ・ユニバースがタグを付け替えた他社商品を販売?!「Rename」に共感、在庫シェアリングへの挑戦

ナノ・ユニバースは6月6日、「nano・universe 軽井沢・プリンスショッピングプラザ店」でタグを付け替えた他社ブランドアイテムを販売するという。そこにはブランドの垣根を超えた在庫シェアリングへの挑戦があった。解決を目指すのは、過剰在庫や廃棄といったアパレル業界の課題。仕掛け人はアパレルのブランドタグ付け替え再販サービス「Rename」だった。

FINEが提供する「Rename」は、アパレルから在庫商品を買い取り、タグを付け替えて元のブランドが分からない形で再販するサービス。タグを付け替えることで、元のブランドの価値毀損を防ぎ、流通の可能性を広げることができる。これまで「Rename」で引き受けた商品は、在庫を提供したブランドのニーズに応じてFINEのECサイトやポップアップショップ、卸先のリサイクルショップなどで販売していた。


ブランドタグを付け替え、再流通させる「Rename」という売り方

実店舗が抱える棚の問題


今回、「Rename」の商品をナノ・ユニバースの実店舗で販売することになった。そこには実店舗では棚を空にできないという商習慣があった。商品が売り切れて棚が空になってしまうと、店舗にとっては機会ロスにつながり、来店客の満足度を損なう恐れがある。だからといって追加生産して棚を埋めると、最終的に売れ残ってしまうかもしれない。

この課題を解決するために「Rename」を活用することにした。ナノ・ユニバースで他社ブランドの商品をそのまま売るのはありえないが、他社ブランドの余剰在庫を「Rename」を介することで、新たに「Rename」というブランドとして取り扱うことができる。

顧客の潜在ニーズ把握に期待


ナノ・ユニバースのナノ・ユニバース事業部兼店舗運営部 大塚有希部長はこう話す。 

「ナノ・ユニバースというフィルターを取り払った商品を展開する事で、お客さま本来の潜在的なニーズに向き合える機会を得られればと思い、取り扱いに至りました。移り変わりの早い時代性の中において、非常に貴重な体験と捉えています」

「Rename」の取り組みに共感する店もあったという。

「洋服本来の価値を再発見する機会に、真摯に向き合っている点に共感しました。新たに製造、販売をするのではなく、時代性にも見合った独自の手法にて洋服本来の価値を見出そうとすることは、セレクトショップのみならず、業界全体においても大前提となっています」

新型コロナウイルスの感染が拡大したことで、アパレル業界は大きな打撃を受けた。販売できなかった大量の在庫が積み上がり、今後の生産計画にも影響が出ている。こうした難曲において、「Rename」が提唱する「企業やブランドの垣根を超える」アクションは、さらに広がりを見せそうだ。


「Rename」

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