ライブコマース事業を展開するCellestはこのほど、ライブコマース販売事業「ぞうねこちゃんねる」の視聴者を対象に実施した「ライブコマースの利用実態」に関するアンケート調査の結果を公開した。Z世代を抜いて35歳～54歳の利用が最多だったほか、約4割が週に1回はライブコマースを利用し、約3割が月に2万円以上ライブコマースで商品を購入するなど、ライブコマースの利用実態を明らかにした。
中国では、ライブ配信中に商品を購入することが日常に浸透しており、中国の2023年1月～6月のライブコマース取引額は1兆9916億元（1元＝約20円）で、ライブコマースのユーザー数は5億2000万人、通年は前年比14・2％増の5億4000万人に上り、伸び率も拡大する見通しだ。日本は、中国と比較するとライブコマースは十分に浸透していないものの、一般の主婦が1カ月に1000万円以上売り上げるなど、ライブコマースビジネスが度々注目されている。
Cellestの展開する「ぞうねこちゃんねる」は、国内トップクラスの販売実績を誇るライブコマース販売事業。8月28日～9月4日の期間、「ぞうねこちゃんねる」の「ライブ配信視聴者を対象に「ライブコマースの利用実態」に関するアンケート調査を実施し、468名の有効回答を得た。
ライブコマースの利用者の年齢は、「35歳～44歳」が全体の約33％ともっとも多く、次いで「45歳～54歳」約32％という結果だった。SNSの利用に関しては、10代～20代の若年層の利用が活発なイメージがあるが、本アンケート調査では、35歳～54歳の視聴者が65％を占めることがわかった。
職業に関しては、「会社員」（役員含む）が35.5％、「アルバイト・パート」が32.9％、「主婦」が17.7％という結果となった。これらの結果から、比較的時間とお金に余裕があるユーザーがライブコマースを積極的に活用していることが分かりと分析している。
ライブコマースをよく視聴する曜日をたずねた問いでは、金曜日～日曜日にかけて視聴が増加傾向にあり、土曜日にもっとも視聴する機会が多いことがわかった。
視聴する時間帯に関しては、夕方から夜分にかけて視聴が増え、21時～24時が85.5％ともっとも多く、次いで18時～21時（約54％）という結果だった。
ライブコマースを視聴する理由をたずねたところ、「商品の情報を得たい」と「お気に入りの配信者がいる」がともに約70％と多くの回答を得た。ライブコマース限定の割引やセールを目的として参加する人も一定数（約40％）いることがわかった。
ライブコマースで商品を購入する際に重視している点をたずねた問いでは、「動画で商品の詳細を確認できる」（81.8％）がもっとも多く、「不明点や疑問点を確認できる」（61.3％）、「店舗では手に入らない商品」（53.6％）と続いた。他の視聴者の口コミや場所や時間に関係なく買い物を楽しめる点も評価されている。
これらの結果からCellestは、ライブコマースは、配信者が丁寧に商品を説明し、リアルタイムでユーザーからの質問に対して回答をすることから、商品を深く理解したうえで買い物を楽しめる点が評価されていることがわかると分析した。また、「商品の種類」ではなく、「配信者」でライブコマースの参加を判断しているユーザーも多い傾向にあることから、ライブコマースでモノを販売する際には配信者の選定が重要であり、日頃から配信者とユーザーの信頼関係を構築していくことが必要なことがわかったとしている。
ライブコマースで購入する商品ジャンルをたずねたところ、1番人気は「化粧品」（81.0%）だった。次いで「衣料品」（76.5％）、「日用品」（60.5％）が上位にランクインした。上位にランクインした商品に関しては、ユーザーに代わり配信者がその場でタッチアンドトライをすることで使用感や着用感をわかりやすく伝えることができるため、商品に対する疑問や不安の払拭につながり、購入の意思決定に至りやすいことが考えられるとしている。
ライブコマースの利用頻度をたずねた問いでは、「1週間に1回」と回答した人が38.2％ともっとも多く、次いで「2週間に1回」（25.0％）、僅差で「1カ月に1回」（24.1％）だった。ライブコマース利用者にはリピーターが多く、普段から高頻度でライブコマースを利用していることがわかる結果となった。
1カ月でライブコマースに費やす金額をたずねたところ「20000円以上」が28.6％ともっとも多かった。5000円以上を使う人が全体の約80％と大多数を占めていることもわかった。これらの結果から、ライブコマースにおける購入体験に対して満足度が高く、毎月一定の金額をライブコマースに費やすユーザーが多数いることがわかるとし、ライブコマース利用層を中心に、ライブコマースでの買い物が日常化していることうかがえるとの見解を示した。
