2020.02.06

〈メルカリとNTTドコモ〉 ポイント・決済で連携 メルペイ含む3社で業務提携

メリカリの山田進太郎CEO(写真左)とNTTドコモの吉澤和弘社長

メルカリとNTTドコモは2月4日、メルカリ子会社のメルペイを含む3社間での業務提携を同日付で締結したと発表した。メルカリのフリマアプリ「メルカリ」で、NTTドコモが発行するポイントを利用可能にするなど、ポイントやキャッシュレス決済システムを連携させる。提供サービスの活性化と、異なるユーザー層を持つ両社間の相互送客が狙い。

提携による具体的な協業の内容は①両社のサービスIDの連携(5月開始予定)②「メルカリ」内でNTTドコモのポイントシステム「dポイント」の還元と利用に対応(同)③「メルペイ」「d払い」といったスマホ決済事業の推進(今夏開始予定)④ドコモショップでの「メルカリ」利用サポート⑤保有データ連携による新規事業の創出ーーの5項目を上げた。

スマホ決済事業の点では「メルペイ」と「d払い」のポイント残高を連携するなど、ユーザーがサービス間でのポイントのやり取りを簡単に行えるシステム作りを進める。両社の決済サービス加盟店についても共通化ができるよう、共同での営業を行っていくという。

NTTドコモの吉澤和弘社長は「これだけの規模を持つEC事業者との連携は初めて」とコメント。メリカリの山田進太郎CEOは「数ある携帯キャリアの中でも最もシナジーを得られる相手」と今回の提携への期待を示した。

【視点】メルカリはシニア層に訴求か


7345万人の会員基盤を持つNTTドコモと、1450万人の月間利用者数を持つメルカリの提携は、新たなポイント経済圏の誕生といえるだろう。

主要携帯キャリア各社は、キャッシュレス決済や、それにひも付くポイントサービスと提携し、ユーザーの囲い込みを進めている。その中でやや後手に回っている印象だったNTTドコモにしてみれば、今回の提携によって改めてファイティングポーズを周囲に示した形だろう。

一方、メルカリ側が得るシナジーとして注目したいのは、同社が注力する「シニア戦略」の強化だ。巨大な会員基盤を持ち、「らくらくスマートフォン」などシニア向けサービスが充実しているNTTドコモとの提携は、シニア層に向けた自社サービスの訴求に効果的だと思われるからだ。

提携後は、現在一部のドコモショップのみで実施している「メルカリ教室」や、「メルカリ」の梱包・配送サポートの全国展開も検討しているという。

ドコモショップに訪れるシニア層が、オフラインの場で「メルカリ」に触れる機会も増加していくとみられる。

出品者としても豊富な資産を持つシニア層の参加は、メルカリが目指す循環型社会の実現にも大きな役割を持つはずだ。

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