2019.12.19

【インタビュー《大手靴下・インナーSPAがデジタル化に本腰》】 チュチュアンナ 上田崇敦取締役副社長 × 合同会社さくら 仲庭拓也代表

合同会社さくらの仲庭拓也代表(写真左)とチュチュアンナの上田崇敦取締役副社長

200万超のアプリ会員生かしEC化推進


靴下や下着の企画・販売を行い、グローバルに550店(国内は263店)を展開するチュチュアンナがデジタルシフトを加速している。リアル店舗と卸売りに加えて、今期(20年7月期)からECサイトでの販売を強化している。「世界中の女性に喜びと感動を届ける」というミッションのもと、国内外でリアルとネットの連携を強化する。今後、リアル店舗で獲得した200万人以上のアプリ会員を基盤に、EC事業を拡大する方針だ。チュチュアンナの上田崇敦取締役副社長と、同社のECを支援する合同会社さくらの仲庭拓也代表にEC事業の現状や成長戦略、デジタルシフトの展望を聞いた。



ーーEC事業の現状は。

上田:19年7月期は連結売上高が273億円だった。当社は卸売りから始まっており、年商30億円規模に拡大した後、リアル店舗を全国展開することで現在の規模まで成長してきた。EC化率はあまり高くない。

以前は当社の主力商品である靴下や下着は、アパレルほどEC化率は高くならないだろうと考えていた。だからこそECに大きく投資はせずに、売り上げに見合った組織やコストで運営し、損益を重視してきた。

ただ、競合他社のEC化率などから、それなりの市場規模があることが分かってきた。当社は「世界中の女性に喜びと感動を届ける」というミッションステートメントを掲げている。この理念を実現するためには、何もリアル店舗だけにこだわる必要はない。店舗、卸、ECを通じて、喜び、感動を届けていきたいと考えている。


チュチュアンナの強みを語る上田副社長


ーーそもそもチュチュアンナの強みとは。

上田:強みはMD(商品政策)にある。当社では”良安感楽(りょうあんかんらく)”のもの作りにこだわっている。”良安(良い品を安く)”を掲げている企業は多いが、当社では「ベーシック&コンテンポラリー」という商品コンセプトのもと、定番アイテムに加えて、トレンドや時代性、季節感を反映した商品を安く提供している。特に18~25歳くらいをターゲットにしたもの作りには、圧倒的な強みがある。トレンドアイテムを安く販売することで、お客さまに”感楽(感動や楽しさ)”を提供できていると思う。


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