2023.05.23

SHEIN、循環型経済テクノロジーのQueen of Rawとパートナーシップ 余剰在庫を再利用し繊維廃棄物を削減

ROADGET BUSINESS PTE. LTD.は5月22日、SHEIN Groupが展開するグローバルファッションブランド「SHEIN(シーイン)」において、サプライチェーンの余剰在庫問題の解決に特化したソフトウェア「Materia MX」を提供するグローバル循環型経済テクノロジー企業Queen of Rawとパートナーシップを締結した。余剰在庫回収を通じた循環型経済により、産業界の余剰在庫救済におけるリーディングカンパニーを目指す。

ROADGET BUSINESS PTE. LTD.の提供する「SHEIN」は、驚きの価格と品質で最新トレンドアイテムをワンストップで世界中に届けるファッションブランド。Webサイトおよびアプリにおいて、150以上の国と地域にてサービスを提供している。

産業界だけでなく、生活に関連する全ての業界で環境問題が深刻化するなか、企業が長期的に成長するためには、経営において環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)のESGの観点が必要だという考え方に基づき、衣類の循環維持、廃棄物の削減、衣類廃棄物の影響を受けた地域の環境改善・修復の支援を行っている。

このほど、余剰在庫を救済するリーディングカンパニーとなるため、サプライチェーンの余剰在庫問題の解決に特化したソフトウェア「Materia MX」を提供する循環型経済テクノロジーのグローバル企業Queen of Rawとパートナーシップを締結した。

今回のパートナーシップでは、Queen of Rawの独自のソフトウェアである「Materia MX」を活用し、余剰在庫を埋立地で廃棄するのではなく、環境問題など考慮して積極的に整理したいと考えるブランドや小売業者から素材を調達することができる。他のブランドの余剰在庫を再利用することで、新たな繊維資源の消費を回避し、繊維廃棄物の軽減を目指す。


▲「Materia MX」を活用した余剰在庫素材の再利用

「SHEIN」のサプライチェーンのフローを自動化することで、「SHEIN」の調達要件と「Materia MX」の在庫基準の両方を満たす“未使用素材”を発見することもできる。これらの素材は、「SHEIN」のデザイナーに提供され、「SHEIN」で販売される製品に組み込まれていくほか、「Materia MX」のプラットフォームによりデータを追跡・報告することも可能となる。さらに、新たな原材料の使用を削減するため、循環性を活用する代替ビジネスモデルも確立する予定としている。

本パートナーシップについて、Queen of Rawは、「我々は、サプライチェーンを変革する旅において、世界有数の小売業者をサポートできることを楽しみにしています。ファッション業界における『SHEIN』の影響力は、余剰在庫や廃棄物の流れに関する環境影響を測定・報告するグローバルリーダーである当社の立場と合致しています。当社の技術は、『SHEIN』が他のブランドから仕入れた新品のまま倉庫に眠っている廃棄予定の布をオンデマンドビジネスモデルに取り込み、将来の在庫購入を最適化することを可能にします。その結果、透明性を高めながら、気候や水への影響を軽減することができます」とコメントした。

「SHEIN」のサステナビリティ担当ディレクター ケイトリン・ワトソン氏は、「Queen of Rawとの提携は、製品のデザインから始まる、より循環型システムへの移行をサポートするものです。『SHEIN』のビジネスモデルはオンデマンドで製品を作ることなので、ファッション業界にとって財務上およびサステナビリティ上の最大の課題の1つである余剰生地負債を蓄積することはありません。私たちは、現在高品質の余剰素材を購入する態勢を整えております。これにより、我々の製品の環境負荷を低減し、他の企業のための循環型ソリューションとなることをサポートします」と述べた。

今回のパートナーシップは、「SHEIN」が新たに策定したサステナビリティ・ロードマップ「evoluSHEIN」に寄与するものであり、「公平なエンパワーメント」「集団的なレジリエンス」「無駄のないイノベーション」という3つの重要な柱で構成されている。「SHEIN」は、今後も余剰在庫問題をはじめとする現代のファッション業界が直面している重大な社会的・環境的課題の解決に最前線で取り組む考えを示した。

さらに2050年までに完全な循環型繊維経済を実現するためには、「World Circular Textile Day」のコミットメントに沿って、より強く、より効率的な循環型経済の構築に積極的に参加することが必要だとした。 ファッション業界における排出量の削減は、廃棄物を最小限に抑えるだけでなく、在庫の素材を使用することで廃棄物という概念を完全になくすことを意味するとし、自社の繊維廃棄物の測定と削減を継続するとともに、他業界のリーダーと協力し、循環型繊維経済の実現を目指すとしている。




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