2023.04.28

「飛鳥クルーズ」、逆転の発想でEC強化 『物販』から『乗船』へ誘導狙う

日本船籍最大のクルーズ船「飛鳥Ⅱ」

クルーズ船「飛鳥Ⅱ」を運航する郵船クルーズは、コロナ禍をきっかけに「飛鳥クルーズ」オリジナルグッズのECを開始した。ユーザーは乗客や客船ファンがメインだが、今後はECサイトを通して「飛鳥Ⅱ」の魅力を訴求し、新規の乗船へとつなげたいという。

同社は2020年3月、コロナの影響で客船の運航を休止した。その後も感染状況の変動や船のメンテナンスの影響を受け、休止と再開を繰り返してきた。そんな状況の中、手探りでECを開設したという。

運航休止中には、「飛鳥Ⅱ」の発着地・横浜の「赤レンガ倉庫」でのポップアップストアを運営したり、陸上レストランとして客船のシェフの料理やサービスを提供するイベントを実施したりしていた。運航がない中でも、「飛鳥Ⅱ」を身近に感じてもらいたいと考えていた。

ECも同様の思いで運営を開始した。ECサイトでは、船内で提供しているカレーのレトルトや、乗組員の制服を着用したテディベアなどを販売している。今後は船旅のイメージできるような、寄港地にまつわる商品も増やしていきたいという。


▲乗組員の制服を着用した「キャプテンベア」は夏服の白と冬服の紺の2種類

ECの最初の流入は乗客を中心とした会員宛のDMやメルマガ経由と、株主である日本郵船グループの社員だった。ユーザーの平均年齢が60歳以上とウェブになじみの薄い世代のため、購入までの流れを丁寧に説明するページを作るなど、シンプルで分かりやすいサイト作りにこだわった。

こうした取り組みが奏功し、ECサイトのリピート率は50%以上と高い。


▲ワンナイトから世界一周まで様々なクルーズのプランがある

「『飛鳥Ⅱ』の味やグッズをきっかけに乗船したいと思ってもらえるよう、引き続き魅力的な商品を届けていきたい」(ホテル部MDチーム 木村祥氏)と語った。






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