韓国料理のミールキットをネット販売するJ&Hビジネスは2021年4月から、ECサイト「Cookeasy(クックイージー)」を運営している。
冷凍食品市場が伸びている一方で、チルド食品の市場が広がっていないと指摘。保存期間が短いことなどが要因と考えられるが、チルドは冷凍のように氷が結晶化することがない。解凍した際に味が落ちてしまうこともなく、野菜は食感を保てるなど利点も多い。
本格的な韓国の味を新鮮な状態で提供するため、パッケージに力を入れた。同社の主力はケミカル事業で、2010年から環境面に配慮した接着剤「ホットメルトフィルム」を販売している。「チルド商品の保存期間を長くするためにはケミカルの技術が必要」(イ・ドンウォン代表)と言い、新鮮な状態で保存するためにフィルム技術のノウハウを利用しているという。
商品は、韓国料理の料理長による本格的な味に仕上げた。味を一定に保つため、調味料の量を0.1グラム単位で測り、レシピにしている。基本的には本場の味だが、辛すぎると食べられない人も多いため、日本人の味覚に合わせているという。「最初に韓国人が試食して、おいしいと言った物を日本人が試食。7割がおいしいと言わないと商品化しない」(同)と言う。
▲韓国料理ミールキットの「Cookeasy」主婦のユーザーが多く、子どもが食べることも想定して、2021年8月からは、添加物や保存料を不使用にした。
食材はカット済みで、油や調味料も入っているため、料理の手間が省ける。「時短」「料理が苦手」という利用目的だけでなく、家族や子どもと一緒に料理することを楽しんでほしいとしている。サムギョプサルやチヂミなどは、バーベキューで楽しめるようだ。
サービス開始当初は新規ユーザーの獲得に苦戦したが、2022年は、前年と比較し、売り上げ、ユーザー数ともに4~5倍に増加。ユーザーが、友人や知人に商品を送り、食べた人が「もう1度食べたい」とユーザーになるケースが多い。
2022年10月に新宿伊勢丹のフードコレクションに期間限定で出店した。少しずつスーパーなどでも展開を広げてチルドの韓国料理を定着させていきたい考えだ。