動画DXプラットフォーム「Firework(ファイヤーワーク)」を提供するLoop Now Technologies(ループナウテクノロジーズ)はこのほど、「2023年度のライブコマース市場の展望」と題したウェビナーを開催した。同会にはゲストパネラーとして武者慶佑氏(日本ライブコマース協会)と本谷知彦氏(デジタルコマース総合研究所)が登壇し、川島里奈氏(Firework Japan)とパネルディスカッションを実施した。ライブコマース市場規模の今後の動き・ライブコマースに関する注目のキーワード・日本流のライブコマースの活用方法の3つのテーマに加え、視聴者からのコメントをテーマとした。
3者ともライブコマースの市場は成長の可能性を見出している。既にライブコマースが定番となっている中国、米国との流通・小売の業態や購入の傾向を踏まえ、ただ真似するのではない日本流の取り組みが必要だと語った。
「動画と異なりライブコマースは意識して見るものだ。それが日本人の習慣として根付けば伸びるのではないか」(武者氏)と話した。日本における購入のきっかけには信頼感があるという。SNSのレビューを参考にするようにライブコマースの発信も一役買えると、1つの武器としてのあり方を示した。
本谷氏はライブコマースにおける注目のキーワードの一つとして「ファンダメンタル」を挙げた。短期目線の小手先の「テクニック」ではなく、ライブコマースを通じて会社の事業の戦略やあり方といった全体のアプローチを考える機会とすることを語った。
川島氏は「コミュニティ」をキーワードとした。参加者同士でもやりとりができるような「熱のある空間」がファン獲得など長期的目線で効果的であると見ている。
日本流のライブコマースの提言については、トレンドの「タイパ(タイムパフォーマンス、時間対効果)」を踏まえた内容が中心となった。
「小売拠点の多さや接客の良さなど、日本はリアルが強いことが念頭にある。ライブコマースはやりっぱなしではなく、『次からどうするか?』とこなれ感を出していくことも大切なのでは」(本谷氏)と語る。
見る価値のあるコンテンツが求められることから、「ライブコマースの日」など各社が一斉にライブコマースを実施するような仕掛けも話題に上がった。