2023.03.31

よく利用する決済2位は「PayPay」 SBペイメントサービスがEC決済の利用実態を調査

SBペイメントサービスはこのほど、ECサイトにおける決済手段の利用実態に関するアンケート調査を実施し、結果を公開した。よく利用する決済手段1位は「クレジットカード決済」、2位は「PayPay(オンライン決済)」となった一方で、クレジットカード決済の割合は2021年度よりさらに減少し、代わりに「PayPay(オンライン決済)」や「ID決済」が台頭していることなどがわかった。

ソフトバンクの子会社であるSBペイメントサービスは、決済代行会社としてECサイトに必須の決済手段を数多く提供している。このほど、「ECサイトで物品・デジタルコンテンツを購入する際の決済手段に関する調査」の結果を公開した。2018年度、2020年度、2021年度に続き、今回が4回目の実施となる。

実施期間は、2023年2月14日~3月7日。調査対象は、1年以内に物販サイトで何らかの商品を購入した10~80代の男女2502人と、1年以内にデジタルコンテンツを購入した10~80代の男女2312人となる。

ECサイトでよく利用する決済手段をたずねた問いでは、物販、デジタルコンテンツともに1位が「クレジットカード決済」、2位が「PayPay(オンライン決済)」、3位が「楽天ペイ(オンライン決済)」だった。「クレジットカード決済」の利用率は、物販の場合は男性が64.4%、女性が67.1%、デジタルコンテンツの場合でも男性が60.3%、女性が59.7%と高く、いずれも20%代の2位の「PayPay(オンライン決済)」とは差がある結果となった。



一方で、過去3回(2018年度、2020年度、2021年度)の同様の調査の結果と比較したところ、物品とデジタルコンテンツどちらの購入時においても、物品とデジタルコンテンツどちらの購入時においても、「クレジットカード決済」を選択する割合が2018年度から2022年度にかけて約20%減少している。代わりに「PayPay(オンライン決済)」の割合が、2022年度には22%以上なっており、「クレジットカード決済」に置き換わり台頭してきたこともわかった。さらに「楽天ペイ(オンライン決済)」の割合も11%を越えて年々伸びており、オンラインでもリアルでも利用できるQRコード決済サービスの人気が高まっていることがわかったとしている。





ECサイトで物品を購入する際にもっとも利用する決済手段をたずねたところ、10代男性では「PayPay(オンライン決済)」の割合が約30%ともっとも選ばれていることがわかった。10代女性においても、1位の「クレジットカード決済」が21.8%に対し、「楽天ペイ(オンライン決済)」が17.9%、「PayPay(オンライン決済)」が14.1%となっており、10代男女ともに「クレジットカード決済」以外の決済手段が浸透していることがわかる結果となった。



一方で、年代が上がるごとに「クレジットカード決済」の割合が高くなる傾向にあり、50代以上では男女ともに「クレジットカード決済」の割合が71%以上と根強い人気があることがわかった。また、男性は20~40代で「Yahoo!ウォレット決済」が3位にランクインしているのに対し、女性は10~40代で「楽天ペイ(オンライン決済)」が上位にランクインしており、性別や世代で好む決済手段が異なることがわかる結果となった。



デジタルコンテンツを購入する際にもっとも利用する決済手段についてたずねたところ、10代男性以外の年代・性別においては、「クレジットカード決済」がもっとも多くの回答を得た。一方で、10代男性は「PayPay(オンライン決済)」が37.5%と、「クレジットカード決済」の19.6%を引き離した。3位には「コンビニ決済」が入っているのも他の世代とは異なる点となった。



10代女性においても、1位の「クレジットカード決済」が27.9%に対し、2位は「PayPay(オンライン決済)」と「コンビニ決済」がともに18.0%だった。10代では男女ともに、「クレジットカード決済」以外では「PayPay(オンライン決済)」「コンビニ決済」の根強い人気があることが分かる結果となった。



携帯電話料金とまとめて支払いができる「キャリア決済」は、20代男性、30代女性、40代男女、50代男女から上位に選ばれており、デジタルコンテンツサイトとの親和性が高いこともわかった。女性は、20代および60代以上で「楽天ペイ(オンライン決済)」が上位にランクインしており、物販と同様「楽天ペイ(オンライン決済)」が女性に人気なこともわかった。

もっとも利用する決済手段について、過去3回(2018年度、2020年度、2021年度)の調査結果と比較したところ、物品とデジタルコンテンツどちらの購入時においても、2022年度には「クレジットカード決済」の割合が約60%と2021年度からさらに減少した。一方で、「PayPay(オンライン決済)」に次いで、3位に「Apple Pay」や「Amazon Pay」などの「ID決済」が選ばれている。「ID決済」は、クレジットカード番号や購入者情報などを入力する手間がなく、IDとパスワードの入力だけで素早く簡単に購入ができるため、年々人気が高まってきていることがわかるとしている。また、デジタルコンテンツサイトでは「PayPay(オンライン決済)」以外に「楽天ペイ(オンライン決済)」「au PAY(ネット支払い)」が上位に選ばれており、特にQRコード決済サービスの利用意向が高いことがわかった。





ECサイトで、物品もしくはデジタルコンテンツを購入する際、よく利用する決済手段が使えない場合にどうするかを尋ねたところ、物品・デジタルコンテンツどちらの購入時においても、53%以上と過半数の人がそのECサイトでは購入せず、離脱する傾向にあることがわかった。離脱の割合がもっとも高かった物販における男性の場合、「他のショップで同じ商品を探して購入する」が50.2%、「購入をやめる」が14.0%と、合わせて64.2%の人がよく利用する決済手段のないECサイトでは購入しないと回答した。





これらの結果は、2018年度から引き続き同様の傾向が見られているため、SBペイメントサービスは、豊富な決済手段を取り揃えることはECサイト運営における1つの重要な要素であるとの見解を示した。ECサイトを運営する事業者は、「クレジットカード決済」を始め、「PayPay(オンライン決済)」「ID決済」などの消費者ニーズの高い決済手段を取り揃えておくことで、消費者の購入率アップに繋がるのではないかとしている。



2021年と比べ、2022年の1年間でECサイトでの購入頻度に変化があったかをたずねたところ、いずれの年代においても「増えた」割合が「減った」割合を上回った。中でも物販サイトでは10代男女の51%以上が、デジタルコンテンツサイトでは10代男性の50%が「増えた」と回答し、特に10代で顕著にオンラインショッピングの頻度が増えていることがわかった。2022年は外出自粛傾向の緩和の流れもあったが、引き続きオンラインショッピングを利用する意向は高いと考えられる結果となった。



調査の全文は、SBペイメントサービスにてダウンロードできる。







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