博報堂はこのほど、博報堂DYメディアパートナーズとのEC領域に特化した組織横断型プロジェクト「HAKUHODO EC+」において、インフルエンサーによるおすすめメイクパターンをパーフェクト社のバーチャルメイク機能で体験し、「まとめ買い」できる化粧品EC支援ソリューション「ソーシャルARコマース」を開発。第1弾として、主婦と生活社の女性誌とのタイアップ型パッケージの提供を開始した。消費者へのスムーズな買い物体験を提供するとともに、メーカーへのSNS起点アプローチによるECサイトへの来訪促進を支援する。
博報堂の「HAKUHODO EC+」は、EC領域に特化した博報堂DYグループ横断型プロジェクト。博報堂DYグループ内各社、および協力会社のナレッジやスキルを集約し、ECを起点とした企業のさまざまな価値創造DXの推進をワンストップでのサポートを目指しており、博報堂をはじめとするグループ9社が推進する、オンライン／オフライン領域で生活者に新しい買物体験を提供する戦略組織「ショッパーマーケティング・イニシアティブ」の傘下の取り組みとして活動している。
このほど、「ショッパーマーケティング・イニシアティブ」の取り組みとして、博報堂マーケティングシステムズおよび、バーチャルメイク技術を提供するパーフェクト社と連携し、インフルエンサーがSNSに投稿したおすすめメイクパターンをバーチャル上で体験でき、「まとめ買い」提案を行う化粧品EC支援ソリューション「ソーシャルARコマース」を開発した。
「まとめ買い」機能は、ECサイトで販売されている個別商品に対し、サイト外で組み合わせでの商品購入を提案し、「まとめ買い」ボタンの表示による動作が行われた際、ECサイトに「まとめ買い」の手続きを指示する情報処理システムで、博報堂が特許を出願している。
「ソーシャルARコマース」では、第1弾の取り組みとして、主婦と生活社の女性誌「ar（アール）」タイアップ型パッケージの提供を開始した。本パッケージでは、インフルエンサー「ar girl」が化粧品メーカーのアイテムを使用したおすすめメイクパターンを自身のSNSアカウントで紹介。「ar」のタイアップ記事サイトでバーチャルメイク体験ができることを告知し、サイトへの来訪を促す。
消費者は来訪したタイアップ記事サイトにおいて、「ar girl」がおすすめするメイクをバーチャル体験できる。気になるアイテムは購入もでき、個別購入だけでなく、「まとめ買い」を選択することも可能だ。購入を選ぶと化粧品メーカーの企業ECサイトへ誘導されるが、選んだアイテムはそのまま企業ECサイトのカートに引き継がれるため、スムーズな買物体験が可能となる。
一方、化粧品メーカーにとっては、SNS起点アプローチによる「潜在層」を含めたECサイトへの来訪促進、バーチャルメイク体験の提供による購買促進、複数のアイテムを「まとめ買い」できるコマース機能の提供により、客単価向上が期待できるというメリットがある。
本ソリューションでは、博報堂がソリューションの企画開発・運営を担い、博報堂DYメディアパートナーズが主婦と生活社の女性誌「ar（アール）」と連携のもと、コンテンツ企画開発を推進。博報堂マーケティングシステムズが、タイアップ記事サイトにおけるパーフェクトのバーチャルメイク技術の実装支援を行う。
新型コロナウイルスの感染拡大を境に、化粧品メーカー各社の実店舗でのテスター撤去が進み、ECでの購入比率が伸長している。こうした環境の変化を受け、生活者がECでの購入を検討する際に、インフルエンサー投稿やSNSのレビューなどを活用し、「自分が気になった商品が、似合うか確かめたい」「購入の検討に際して、背中を押してほしい」というニーズが高まっており、化粧品メーカーではARメイク体験ができるバーチャルメイク技術を導入する動きが広がっている。
そこで「HAKUHODO EC+」は、生活者のニーズやパーフェクト社のバーチャルメイク技術をもとに、SNS×タイアップ記事サイト×企業ECサイトをパッケージでまとめ、商品紹介から体験、購入までをシームレスに繋いだ「ソーシャルARコマース」の開発に至ったとしている。
今後もマーケティング領域とメディア領域の両面から、クライアント企業のコマース領域支援を行っていく考えを示した。
