2023.03.24

たねやグループ、手厚いファン育成でECサイトのリピート率70%超

通販事業部 黄瀬健太郎氏

老舗菓子メーカーのたねやグループは、自社ECサイトでコアなファンの育成に成功している。動画やSNSでファンを育成し、購入者のリピート率は71.7%になっている。コロナ禍の2020年には、「楽天市場」に出店し、新規顧客の獲得にもつなげている。

たねやグループは2022年に創業150年を迎えた老舗の菓子メーカーグループ。和菓子舗「たねや」や、洋菓子ブランド「CLUB HARIE(クラブハリエ)」などを展開している。グループのブランドを統合した自社ECサイト「たねや・CLUB HARIE 公式オンラインショップ」は2018年にリニューアルし、ユーザービリティーを向上したという。

2019年まで横ばいだった売り上げはコロナ禍で拡大した。2020年は実店舗を閉めていた影響もあり、顧客がECへ流入した。

「当社の商品をECサイトで買うことが便利だと思っていただけたと感じている」(通販事業部 黄瀬健太郎氏)と話す。

コロナ禍に獲得したECの顧客を離さないために、イベントごとの企画やSNSでの情報発信に注力している。

季節ごとのイベントに向けて、特集を企画し、EC限定の商品を用意している。お歳暮やお中元の時期には、特別なセット商品や、季節感のある商品を販売した。定番商品でも季節を感じられるようにパッケージにもこだわっている。

「お菓子は贈り、贈られの文化だと思うため、イベントでしっかり特集を打ち出すことが売り上げアップにつながっている」(同)と言う。

イベント時にはSNSでの販促も強化している。EC限定商品は、インスタグラムやフェイスブックで告知を強化している。

「SNSに投稿した商品は、よく売れる。広報担当者とEC運営の連携は大切だ」(同)と言う。

同社はYouTubeでの情報配信にも力を入れている。「~ができるまで」という製造工程シリーズの動画の再生回数はよく伸びる。2021年4月に配信した「カステラができるまで」という動画の再生数は723万回を超えている。

製造工程を工場で撮影し、配信している。当初は動画にBGMを入れていたが、社内の意見を取り入れ、工場の音をそのまま動画に入れるようにしたという。

「製造工程のリアルな音を生かすことで、より臨場感の溢れる動画になった」(同)と言う。

リニューアル後もサイトの改善を続けている。のしなどのオプションを分かりやすくできるように、UI/UXを見直し、さらなるリピート率の向上を図る。






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