2023.03.17

電通グループ5社、「2022年 日本の広告費」におけるネット広告媒体費の詳細を分析

国内電通グループのデジタル広告領域をけん引する5社(CCI、D2C、電通、電通デジタル、セプテーニ・ホールディングス)は3月14日、「2022年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」を発表した。電通が先に発表した「2022年 日本の広告費」の調査結果から、インターネット広告媒体費の内訳を分析し、2023年の予測を加えたもので、検索連動型広告が9766億円で前年比122.2%と大きく成長したことなどがわかった。

国内電通グループのCCI、D2C、電通、電通デジタル、セプテーニ・ホールディングスは、電通が2023年2月24日に発表した「2022年 日本の広告費」の調査結果のうち、インターネット広告媒体費の内訳を「広告種別」「取引手法別」などの切り口で分析し、さらに2023年の予測を加えた「2022年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」を発表した。

2022年の日本の総広告費は、通年で前年比104.4%の7兆1021億円で、新型コロナウイルス感染症の感染再拡大、ウクライナ情勢、物価高騰など国内外の様々な影響を受けつつも、1947年に推定を開始して以降、過去最高となった。

その中でインターネット広告費は、社会のデジタル化を背景に継続して高い増加率を保っており、前年比114.3%の3兆912億円に達し、日本の総広告費全体の43.5%を占めた。また、インターネット広告費からインターネット広告制作費および物販系ECプラットフォーム広告費を除いたインターネット広告媒体費は、検索連動型広告をはじめとする運用型広告や、ビデオ(動画)広告の成長により、前年比115.0%の2兆4801億円となった。

2022年のインターネット広告媒体費は、前年比115.0%の2兆4801億円(電通「2022年 日本の広告費」より)だった。これを広告種別で見ると、検索サイトに入力した特定のワードに応じて、検索結果ページに掲載する「検索連動型広告」が前年比122.2%の9766億円と増加、構成比は最多で39.4%となった。動画ファイル形式(映像・音声)の「ビデオ(動画)広告」は前年比115.4%の5920億円で、構成比は23.9%だった。

インターネット広告媒体費を取引手法別で見ると、検索連動型広告、およびデジタル・プラットフォーム(ツール)やアドネットワークを通じて入札方式で取引される「運用型広告」は前年比115.3%の2兆1189億円と推定開始以降はじめて2兆円を突破し、インターネット広告媒体費に占める構成比は85.4%となった。純広告やタイアップ広告として広告主に販売された広告、および非入札方式(固定価格)で取引される「予約型広告」は前年比117.7%。:インターネット広告を閲覧したユーザーが、あらかじめ設定されたアクションを行った場合にメディアや閲覧ユーザーに報酬が支払われる「成果報酬型広告」は前年比102.7%といずれも成長した。

【インターネット広告媒体費の取引手法別構成比】


広告種別×取引手法別では、運用型の「検索連動型広告」がインターネット広告媒体費全体の39.4%と最も構成比が大きく、次いで運用型の「ディスプレイ広告」が26.0%、運用型の「ビデオ(動画)広告」が19.9%と続いた。「

【インターネット広告媒体費の広告種別×取引手法別構成比】


ビデオ(動画)広告」は予約型が前年比117.4%、運用型も前年比115.1%といずれも伸長した。

【ビデオ(動画)広告の取引手法別構成比】 


「ビデオ(動画)広告」のうち、動画コンテンツの間に挿入されるインストリーム広告は3456億円(構成比58.4%)で、Web上の広告枠や記事のコンテンツ面などで表示されるアウトストリーム広告は2463億円(構成比41.6%)だった。

【ビデオ(動画)広告の広告種類別構成比】


ソーシャルメディアのサービス上で展開されるソーシャル広告は、前年比112.5%の8595億円で、インターネット広告媒体費全体の34.7%となった。ソーシャル広告以外が前年比116.3%と伸長したためソーシャル広告の構成比は微減となった。

【ソーシャル広告の構成比推移】


ソーシャルメディアを種類別にSNS系、動画共有系、その他に分類すると、SNS系が3675億円(構成比42.8%)、動画共有系が3052億円(構成比35.5%)となり、合わせて78.3%を占める。

【ソーシャル広告の広告種類別構成比】


2023年のインターネット広告媒体費の推移予測では、インターネット広告媒体費総額は2023年も堅調に推移し、前年比112.5%の2兆7908億円まで増加すると予測した。

【インターネット広告媒体費総額の推移(予測)】


2023年の「ビデオ(動画)広告」は前年比115.7%と引き続き高い成長率を維持し、6852億円まで増加すると予測。中でもインストリーム広告は前年比119.5%の成長を見込むとしている。

【ビデオ(動画)広告市場の推移(予測)】






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