2023.03.14

楽天、「第5回 楽天市場サービス向上委員会」開催 第2期から不正レビュー対策にも着手

楽天グループ(楽天)はこのほど、2月24日に開催した「楽天市場」の運営について出店店舗と意見交換を行う「第5回 楽天市場サービス向上委員会」について、事後レポートを公開した。「第3回 楽天市場サービス向上委員会」にて提案された「楽天市場」の課題や施策への改善案をもとに、各分科会で検討・対応した内容が報告され、意見交換が行われた。

楽天は、「楽天市場」出店店舗による独立した任意団体である「楽天市場出店者 友の会」(以下:友の会)と、楽天の経営陣の意見交換の場として、2021年3月より「楽天市場サービス向上委員会」を運営している。

同委員会は、年2回開催される委員会と、トピックについての改善を協議する分科会によって構成されており、第1期の分科会は、店舗と楽天、自治体の連携を通じ、各地域の課題解決や地域活性化を目指す「地域・コミュニティ分科会」、楽天による店舗のSDGsに関する取り組みの支援・促進を目指す「サステナブル・SDGs 分科会」、店舗運営に関わるシステムの改善とユーザーがより便利に「楽天市場」を利用できるシステムを検討する「システム分科会」、店舗の物流課題の解決に向けた支援や、店舗向け物流サービスの強化を通じ、店舗とユーザーにとって利便性の高い物流の実現を目指す「物流分科会」の4つ。


4分科会からの改善案に対する進捗を報告


2月24日に「第5回 楽天市場サービス向上委員会」を開催し、このほどその内容を公開した。「楽天市場出店者 友の会」活動報告に加え、4分科会からの「楽天市場」の改善案に対する進捗報告、第2期分科会の議題の発表、意見交換などが行われた。

改善案に対する楽天からの進捗報告は、2022年1月開催の「第3回 楽天市場サービス向上委員会」にて提案された「楽天市場」の課題や施策への改善案をもとに行われた。

「地域・コミュニティ分科会」における提案は、「コロナ禍で地元の店舗同士がオフラインでつながれる機会が減少している現状に対し、情報交換や交流ができる場として地域ごとに店舗が集まれる地域コミュニティの創出や地域でのオフラインイベントの開催を検討してほしい」「Eコマースに関する各地の事業者とそのステークホルダーの相互理解向上のため、地域の学生向けにEコマースに関する出張授業を開催するなど、地域の将来を支える次世代への教育を支援してほしい」というものだった。

これに対し、地域ごとにナレッジ共有や悩みの相談ができる場として、都道府県単位での店舗運営に関する勉強会を開催。2022年9月の新潟開催、2023年1月の熊本開催をモデル事例として、2023年以降全国に順次拡大予定であること。次世代教育を目的とした「自治体×学校×出店店舗×楽天」による、ECに関する知識やマーケティングの知見を学ぶ授業を2022年4月より実施しており、2022年度は4エリア(兵庫県、神奈川県、新潟県長岡市、熊本県)において6店舗14名の協力を得て、12校316名の学生を対象に計44コマの授業を実施したことなどを報告した。

「サステナブル・SDGs分科会」における提案は、「店舗のSDGs取組促進を目指した『楽天大学』講座の拡充やECCのサポート体制の強化を検討してほしいというもの。これに対しては、SDGsウォッシュに対応するガイドラインを制定(2022年 4 月より運用開始)し、社内外からの通報を可能にする制度を確立したこと。出店店舗向けにECノウハウを提供する「楽天大学」において SDGsに関する既存講座の改定と新規講座を開講したこと(2022年7月より講座開始)。成果の1つとして、「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー2022」における「サステナビリティ賞」のエントリー数が前年の約2.8倍になったことなどを報告した。

「システム分科会」における提案は、「商品購入時に配送予定日を表示してほしい」「商品検索時に、アイテムごとにサイズやカラーなどをわかりやすく表示してほしい」「システムに関する店舗の理解促進のため、店舗同士でシステムに関して情報交換できる場を提供し、楽天の社員にも参加してほしい」というものだった。

これに対し、分科会からの提案を踏まえ、注文・出荷・配送に要する日数を元に送付先エリアに応じた商品の最短配送可能日が自動計算される機能を導入準備中であること(2023年6月頃より実装予定)。2023年4月以降の出店店舗ごとのSKU管理の導入への移行に向けて必要事項を周知し、移行開始後もシステム分科会で実運用をふまえての更なるサービス改善に向けた議論を継続的に実施予定であることなどを報告した。

「物流分科会」における提案は、「店舗が物流サービスについて理解を深められる機会を提供してほしい」「店舗や商材ごとに配送についての課題は異なるため、コンサルティングや勉強会など、店舗と楽天が各店舗の課題について一緒に考える仕組みを検討してほしい」というものだった。

これに対し、配送に力を入れる出店店舗の表彰制度として、2022年10月度より「楽天ショップ・オブ・ザ・マンス」において「スピード配送賞」を新設。将来的には、「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー」での表彰も検討中であること。出店店舗向けの「楽天スーパーロジスティクス」見学会を2022年10月に実施し、今後も定期開催に向け準備中であること。配送に関する勉強会および出店店舗間の配送に関する事例共有会を2022年7月以降、継続して開催中であること。「楽天スーパーロジスティクス」のサービス強化として、大型セール企画の開催中に通常期と同等のサービスレベルの日数で出荷するための対策の実施。大型商品取り扱いやメール便翌日お届け対応、熨斗シール貼付など、サービス内容の改定やサービスレベルの改善を適宜実施予定であること。利用店舗の出荷作業の負担を軽減するため、大型セール企画の開催中、「日時指定なし」を選んだユーザーにポイントを付与する実証実験の実施などを報告した。


第2期は「顧客コミュニケーション分科会」を新設


今回の「第5回 楽天市場サービス向上委員会」をもって第1期の分科会活動は終了となる。第2期については、「顧客コミュニケーション分科会」を新設し、レビュー基準、不正レビュー対策、不正ユーザー対策、ユーザー問い合わせ対応機能「R-Messe」の活用などについて議論を行う予定であること、「地域・コミュニティ分科会」「システム分科会」「物流分科会」は、各トピックに関連する注力議題について継続的に議論を行う予定であることが発表された。

「第5回 楽天市場サービス向上委員会」における報告に対し、参加店舗からの「分科会における議論を通して、サステナブル・SDGs に関して一定の成果が残せた。サステナブルな社会の実現のためには、前提として多様性が重要だと考えているが、分科会内だけでなく『楽天市場サービス向上委員会』の場においても多様性のある意見が多く出るようになってきており、店舗がダイバーシティに富んだサステナブルな考えの土台を持つようになったこと、楽天がより多様な意見に向き合ってくれるようになったことを実感している」などのコメントを紹介した。

「物流に関し、楽天側からのデータに基づいた議論を重ね、さらに実証実験や実装を経てもらうなど、前進していると感じる。引き続き、楽天が店舗の意見を傾聴し伴走することで、楽天、ユーザー、店舗の三方よしを実現できることを期待している」「楽天も、店舗も、ユーザーにより愛される「楽天市場」を作るという共通の課題を持ち、よりよい未来に向けた議論をできている。今後もこの関係性を大切にしていきたい」「『友の会』主導で実施したイベントに、数多くの楽天社員が参加してくれ、楽天が本気で向き合ってくれている手ごたえと信頼を覚えた」などの声もあった。





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