2023.03.01

EC構築の「ecforce」がMAツール「ecforce ma」を提供する理由は?花岡COO「使いこなせないを解消」

D2C支援事業やECプラットフォーム「ecforce(イーシー・フォース)」を提供するSUPER STUDIOは3月15日、EC・D2CメーカーのCRM施策を自動化するマーケティングオートメーション(MA)ツール「ecforce ma(イーシーフォース・エムエー)」の提供を開始する。まずは「ecforce」導入企業に提供を開始し、将来的には別のカート導入企業も利用できるようにする。同社の花岡宏明取締役COOにカート企業がMAツールを開発した理由を聞いた。

「ecforce ma」は「ecforce」内の顧客データを活用するため、データ連携の設定が不要で、管理画面の発行後は即日でCRM施策の実行が可能だ。「ecforce」に登録している購入情報を商品の購入回数、誕生日、年齢などの属性、最終購入日からの経過日数、購入回数、定期契約の有無などで絞り込み、そのセグメントに合わせて設定した頻度でメールやLINEを自動送信できる。日々追加されていく新しい購入者情報も自動で反映するため、顧客ごとに最適化されたコミュニケーションを漏れなく実施できる点が特徴だという。

null

花岡COOは、「デジタルマーケティングのCPA(顧客獲得単価)が上昇し、CRMの重要性が増している。CRMを強化し、顧客のLTV(顧客生涯価値)を高めるために、MAツールを導入する企業が増えている。『ecforce』導入企業でもMAツールを効果的に活用できている企業もあるが、多くの企業は使いこなせていなかった。実際、EC・D2C企業でMAツールを活用している企業にアンケートを取ったところ、73.5%が『使いこなせていない』と回答した」と話す。


▲SUPER STUDIO 取締役COO 花岡宏明氏

アンケート調査では、MAツールを活用できていない理由として「データ分析や効果検証が難しい」という回答が最多だった。MAツール導入後、実運用開始に時間を要した理由を「専門性の不足」と回答した割合が最も多く、次いで「機能の複雑性」「人員不足」と回答しており、専門性の高い人材の不足や自社のノウハウ不足が顕著であることが分かったという。

花岡COOは、「MAツールを使える人材がいないという話をよく聞く。他社のMAツールは『手軽に導入できる』『ノーコードでエンジニア不要』とうたっていても、実際に使おうとするとデータに関する専門知識が必要だったり、データ連携の際にエンジニアリングが求められたりするケースがある。この課題をクリアするためにMAツールを開発しようと思った」と語る。

「ecforce ma」は、「ecforce」のデータをそのままMAツールでも使ってるような構図になるので、データ連携というハードルはない。顧客データをそのまま活用できるため、セグメントを細かく分類することもできる。施策の効果測定は、売り上げベースで計測できるため、効果を正しく把握でき、次の打ち手も検討しやすくなる。


▲管理画面のイメージ

SUPER STUDIOはD2C事業も展開しており、人気シェフが開発したシンプルで高品質な調味料を販売する「ふつうのショップ」では、先行して「ecforce ma」を活用している。

花岡COOは、「当社のノウハウも積極的に提供する。『ふつうのショップ』では顧客セグメントを分けて販促のメールを打っただけでCVRが9%になった。休眠顧客(直近120日以上購入なし)や未購入者だけにセール情報を送ると、過去のセールの1.4倍の成果を出すことができた。まだβ版での運用だったが、それでも成果が出ている」と話す。

シナリオの設定は視覚的に分かりやすい画面上でフローチャートを作ることができる。


▲シナリオ作成のイメージ

花岡COOは、「意外にも他にはあまりない機能で、シナリオを設定する際に『コンバージョン』というカードを置くことができる。購入以外の、例えばクーポンのダウンロードなどをコンバージョンとして設定して、シナリオを組むことができる」と説明する。

自社の経験に基づくノウハウを生かし、「ecforce ma」では効果的なシナリオをプリセットで提供する。

施策のチャネルはもちろんメールだけではなく、LINEにも対応している。同社が提供するウェブ接客自動化システム「ecforce chat」で新たに提供を開始した「チャット内購入機能」を組み合わせて活用すると、ECサイトに訪問することなく配信したLINEメッセージ内で商品購入が完結する仕組みを構築できる。施策のチャネルは今後、SMSにも対応する予定だ。

料金プランは月額4万9800円の基本料金と、データ量に応じた従量課金のデータ管理料を徴収する。




RECOMMEND合わせて読みたい

RELATED関連する記事

RANKING人気記事