2023.02.10

【ECモール 2023年の展望】 『Makuake』中山亮太郎社長「『物販』に加え、『旅』『レジャー』の3軸で事業推進」

【ECソリューションマップ2023「モール&プラットフォーム編」】 


応援購入プラットフォーム「Makuake(マクアケ)」の2022年9月期の応援購入総額(GMV)は前期比8.2%減の197億7600万円、売上高は同9.0%減の42億600万円だった。マクアケの中山亮太郎社長は「2022年は苦戦したが、それでも新たな発見があった」と語る。中山社長に2022年の状況と2023年に注力していくことなどを聞いた。



――前期を振り返ってもらいたい。

特に2022年の下半期は苦戦した。コロナのワクチンが普及するとともに、消費者が街に戻り、街で買い物をする機会が目立った。EC業界全般がそうだと思うが、物品をネットで購入するマクアケにおいても、物品を事前にネットで応援購入するという人が減少した。

私はこの状況は「2020、2021年が異常だっただけで、2022年はコロナ前の世界線に戻りつつあった」と捉えている。

――IRでは利益額の減少理由の一つに、積極的な人材雇用とシステム構築費に投資したからだと記載がある。積極投資した理由は?

2020、2021年はコロナの流行とともに、マクアケの価値が知られて急成長した。想定以上に事業が成長したことにより、事業者を支援する人材が足りなかった。そのため、事業者を全面的に支援する人材を雇いたかったのだ。

当社では1つのプロジェクトに1人のキュレーター(プロジェクトのサポート担当者)が付く。前期はキュレーターを募集し、しっかりと事業者を支援できる人材育成に重きを置いた。

「Makuake」の利用増加に伴い、システム面でも課題が見つかった。プロジェクトが何倍にも増えているため、希望するプロジェクトの見つけやすさ、ユーザーにお勧めするレコメンド機能、プロジェクト掲載のしやすさなどを改善するため、大幅なシステム改修を行った。

創業から8年でGMVも200億円まで伸びた。さらなるフェーズに突入するため、人材とシステム面を改善し、強固な”基盤作り”を固めた1年だった。

――2022年はサウナなど新たなプロジェクトが台頭した印象を受ける。

2022年下半期からは、消費者から人気を集めるプロジェクトの内容が変化した。オフラインの動きが活発化したこともあり、体験を感じられる「サウナ」「旅」「レジャー」「飲食店」のプロジェクトが支持を集めた。

当社の事業内容が飲食店を運営している人から評価を受けたことがあり、そのことからサウナ施設運営者などが「『飲食店』で成功を収めているなら、当社もチャレンジしてみよう」と思っていただき、プロジェクトを実行してくれたのだろう。改めて当社の事業内容の可能性の裾野の広さを実感した。

――2023年の事業戦略は?

過去に利用してくれた事業者の支援を強化しつつ、「旅」「レジャー」などのサービス系の分野を新たに強化していく。事業者の支援では、さらなる掲載サポートの品質向上と、プロジェクト終了後の応援購入者サポートにこだわっていく。

例えば、現時点でもプロジェクトが遅延しているにも関わらず、応援購入者に連絡がないケースもある。こういった対応をいかに少なくしていけるかにこだわっていきたい。事業者支援がひいては購入者の体験価値向上につながる。

2023年は現在需要のある「旅」「レジャー」に注力しつつ、引き続きまだまだ伸び代の大きい「物販」分野でのプロジェクト増加と応援購入者の増加につなげていく。






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