2023.01.27

【楽天新春カンファ2023】三木谷社長「流通目標10兆円のうち、2兆円はモバイル効果で積み上げる」と説明

楽天の三木谷浩史社長が講演

楽天グループは1月26日、「楽天市場」の出店者向けイベント「楽天新春カンファレンス2023」を開催した。三木谷浩史社長の講演には、メイン会場に1500人、別の会場に1000人が参加し、オンラインでは約3万人の出店者が視聴したという。

三木谷社長は今回、「楽天モバイル」の成功が「楽天市場」の成長に大きな役割を果たすことを強調した。



三木谷社長は、「2006年、ガラケーの時代に新春カンファレンスで『モバイル、モバイル、モバイル』というテーマで話をさせていただいた。まだモバイルの流通総額がほとんどゼロだった時に、将来的には全体の70%にまでモバイル比率が高まるという話をした。今年のテーマは『モバイル、モバイル、モバイル』に1つ加え、『モバイル、モバイル、モバイル、モバイル』だ」と説明した。



さらに、「『楽天モバイル』へのチャレンジは、ソフトバンクさんやauさん、NTTドコモさんみたいな携帯会社を始めようということではなく、楽天エコシステムにもう1つ巨大なプラットフォームを作るというのが、基本的な発想だ。新しい技術やエコシステムによって、店舗の皆さんの流通総額を増やしていくということが戦略のベースになる。『楽天モバイル』のお客さまは、もっともっと『楽天市場』に貢献する。逆に言えば『楽天モバイル』の加盟者が増えれば増えるほど、店舗の流通総額は自動的に上がっていく。皆さんはもしかしたら『楽天市場』の経営と『楽天モバイル』を切り離して考えてるかもしれないが、(国内EC流通総額)10兆円計画の大きな柱の1つが『楽天モバイル』である」(三木谷社長)と話している。


モバイルユーザーの「楽天市場」購入金額は49%上昇


「楽天モバイル」の利用者が増えることで、携帯電話料金が安くなり、可処分所得が上がる。さらに楽天ポイントの付与や、「楽天モバイル」に加盟していることで「楽天市場」のポイント付与率が上がるSPU(スーパーポイントアッププログラム)の効果で、「楽天市場」での購入金額が上がるという。



「『楽天モバイル』のユーザーが増えることで、これまで見えなかったものが見えるようになる。ユーザーが『アマゾン』で買い物しているのか、『Netflix』をどのくらい見ているのか、ユーザーの行動にどういう相関関係があるのか、というようなデータを全部把握することができる。データを使い、『楽天市場』のAIもどんどん進化する」(同)と説明する。



「楽天モバイル」に加盟したユーザーの「楽天市場」への貢献度については、「半年間、継続して計算したところ、加盟ユーザーの『楽天市場』の年間購入金額が1人当たり49%伸びることが分かった。ほぼ50%も上がるのだ」(同)と言う。



さらに、「2030年までに国内EC流通総額を10兆円にしようという計画の内、大体2兆円規模はおそらくモバイル効果によって積み上げできると思っている。つまり店舗の皆さんの成長と『楽天モバイル』の成功というものが非常に密接に結びついているということだ」(同)と強調した。

「楽天モバイル」を契約時のユーザーは、グループのサービスを平均で4.5個併用しているというが、1年後には平均7個に増えるという。「楽天モバイル」ユーザーの86%は、「楽天市場」で買い物してる。


楽天の2022年の年間流通総額は5.6兆円


「『楽天モバイル』の契約者が2000万人になったらどうなるか。単純計算で流通総額が2.5兆円増える。(2022年の)5.6兆円プラス2.5兆円なので、全体で8.1兆円になる。これに皆さんの力で1.9兆円伸ばしていただければ10兆円に達する。単純な計算だが、これを実現したい」(同)と話す。



改めて店舗にも「楽天モバイル」の利用を促した。1月30日からは法人プランの提供も開始し、法人契約の利用も依頼した。



三木谷社長は、「皆さんにも協力していただきたい。正直、携帯契約を『楽天モバイル』に変えていただきたい。(携帯市場の)民主化運動にはファン、サポーターが必要だ。法人契約もできれば『楽天モバイル』に変えていただきたい」と強調した。








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