2023.01.30

【有識者に聞く!2023年の市場展望<ライブコマース>】いつも 高木修取締役「ライブコマース活用が始まる年に」


D2C・EC支援のいつもの高木修取締役は、2023年を起点にEC運営に影響を与えるトレンドとして、「ライブコマース」「SNS活用」「サステナビリティ」の三つを提示した。特に2023年は「ライブコマース」の動きが一気に広がる「ライブコマース活用元年」になると予測している。


当社では、中国のライブコマース市場は2021年に日本円で40兆円を超える規模に成長し、中国のEC市場全体に占める比率が15%を超えていると推計している。日本におけるライブコマースの市場規模は、2027年に約3000億円を超えると推計している。

中国に比べて緩やかな拡大だが、2022年度にはD2Cブランドやグローバルブランドを中心にライブコマースを活用したEC販売拡大の実績も出始めている。2023年はその動きが一気に広がり、特に店舗の資産であるスタッフや実店舗の在庫を活用しながら、ユーザーが検索では見つけにくにい「新しい発見」を生み出すことで売り上げの付加を実現する取り組みが増えそうだ。ECも実店舗の売り上げも増えるような「ライブコマース」活用元年になると予想している。

数年後を見据えながらも、ライブコマースなど新しいスタイルで直接消費者とつながる取組みを積極的に取り入れていただきたい。

さらに、近年、各企業はSNSの活用を進めているが、その活動がEC売り上げとリピート施策が連動しないケースも多く見られる。2023年は「SNSとECの連動」の再構築の年になると予測している。

SNS×ECの「認知→興味→比較→検討→購入→ファン作り→評価・拡散」の一連の流れを想定して、インフルエンサーやTikTokの有効活用、各種SNSの設計と運用、その活動の評価と改善を一体で運用することが必須な状況となるだろう。

サステナビリティへの意識もさらに高まるだろう。サステナビリティ経営先進国の欧米では、成長を続けるD2Cブランドは「サステナビリティ経営」に積極的に取り込んでいる。EC事業を推進することで、その過程の中でリアル販売と比べて、二酸化炭素排出量削減につながるというレポートも報告されている。

日本市場では、EC事業に意図的にサステナビリティ経営を取り込んでいる企業はまだ少ない。今後、簡易包装、地域の原材料の活用、EC在庫保管場所の最適化によるロスの削減などの工夫を行い、それを消費者に積極的に発信する動きが活発になると予想している。

2023年以降のEC・D2Cビジネスに影響を及ぼすトレンドを解説した。大きくは「コロナ」を通過した後に顕在化する新しい動きとなる。これらのキーワードは「先行者メリット」が大きく出る可能性が高いので、事業戦略に組み込んでいただければと思う。






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