2023.01.20

【EC事業者に聞く!2023年の戦略】cotta 黒須綾希子社長「『健康』を重視する事業戦略を実行」


製菓材料の通販事業を展開するcotta(コッタ)は2023年、大きく事業のかじを切る。コロナ禍における消費者の購買行動の変化を受け、より健康に重きを置いた商品開発に注力していく。コッタの黒須綾希子社長に、2022年を振り返ってもらうと同時に2023年の展望、原材料高騰対策などを聞いた。


2022年は当社にとって変革の1年になった。コロナ前から2021年までは、消費者は「かわいい」「手頃」「色鮮やか」な菓子を作るのを好んでいたが、2022年はガラッと変わった。健康を重視するようになったと実感している。

以前は法人も個人もどちらもいわゆる”映える”菓子を作れる素材が人気で、その菓子材料が、当社の売り上げを引っ張っていた。だが、2022年からは売り上げ、市場ともにより質の高い商品を作るための素材に注目が集まっている気がしている。

そのため、2023年は健康に重きを置く事業戦略を取る方針だ。具体的には、2022年に資本業務提携した不二製油との協業に注力する。不二製油はプラントベースフード(PBF=動物性の原料を使用していない食材のこと)の乳製品代替品の開発に精通しており、当社と不二製油でさまざまなPBFの菓子材料を開発していく。

このほか、2023年は製粉メーカーの熊本製粉と共同開発した米粉の販売にも一層注力していきたい。2022年9月に「米粉キャンペーン」を実施し、抽選で当選した人には米粉パンが作れるキットを贈呈した。このキャンペーンが予想以上に好評だった。

データを見ても、申込者の65%が既存顧客で、35%が新規顧客だった。当社をよく利用してくれる既存顧客も米粉の使い方を知らなかったということが分かった。米粉パンも、健康という観点では需要があるはずだ。2023年もプレゼント企画などを実施し、より多くの人に当社を知ってもらい、商品購入につなげていきたい。

個人的にPBF市場は、まだまだ参入余地があると捉えている。「PBFで有名な企業は?」と聞かれても、特定の企業は出てこないのではないだろうか。当社と不二製油で業界に新たな風を吹き込んでいく。

2022年は小麦粉や食用油、砂糖など多くの原材料が高騰した。当社では商品購入時に設定している配送料を再設定した。新たに6500円以上の購入で220円の配送料金が発生するシステムにした。

以前はもう少し安い金額で対応していたが、原材料の高騰で、「以前よりもう少し購入してくれたら、配送料を安くして配達する」ことにした。まだまだ原材料の高騰は続くだろう。2023年もこの施策は継続する予定だ。




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