2023.01.20

【有識者に聞く!2023年の市場展望<ECモール>】オプト 塚本くるみチームマネージャー「モールを横断分析する時代に」


デジタルマーケティング支援大手のオプトは2022年6月、クロスチャネルでECモールを分析できるECデータ統合プラットフォーム「Oxcim(オキシム)ベータ版」の提供を開始している。ECモールにおけるデータ分析や戦略立案も支援している同社のECチャネル戦略部 塚本くるみチームマネージャーに、2023年のECモール動向について聞いた。


ECモールを攻略する上で戦略なくして継続成長はできない。しかし、どのECモールで何を強みにするかという「ECモールの戦略」が明確な事業者は少ない。

ECモールの戦略策定においては、全てが消費者基点で、ありたい姿を考えることが大切。現在の消費者の行動は「知る場所」と「買う場所」が異なることがほとんどだ。例えば「楽天市場」で商品を見て、自社ECサイトで詳細を調べ、「アマゾン」の大型セールで安く購入するなど、ECモールを横断した購買行動を取っている。

しかし、メーカーはECモールごとでの戦略を策定し、戦術に落としこむことが多く、消費者の購買行動に合わせた戦略を策定できていないケースもある。だからこそ、本質的な消費者行動に基づき、モールごとの特徴を押さえ、クロスチャネルでEC戦略を策定することを推奨している。

一方で消費者の購買行動を分析し、戦術を検討するためのECモールにおけるデータ開放の動きは、以前よりもだいぶ盛んになっている。

例えば、「アマゾン」のAMC(アマゾンマーケティングクラウド)を始めとする各ECモールのデータ開示の動きは、2021年ごろから加速している。

この流れを受け、ECモールの戦略策定をする上で、ECモールのマーケット情報を集め、競合情報や消費者のニーズを知り、自社のポジショニングを明確化することは必要不可欠だ。ありとあらゆるデータを収集する23年になると、私は考えている。

例えば、「アマゾン」の販促や広告の効果測定をする際に、「楽天市場」や「ヤフーショッピング」のデータとともに、クロスチャネルを意識してデータを見ることが大切だ。

消費者を中心に考え、クロスチャネルでECモールの戦略戦術を組み立て、消費者の購買行動の変化に対応できるメーカーが生き残れる時代に変化していくのではないか。




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