2023.01.19

【EC事業者に聞く!2023年の戦略】大都 山田岳人社長「DIY用品ECからBtoB-ECの市場へ」


DIY用品のECを手掛ける大都は2023年、中小の工務店などをターゲットにした、BtoB専用のECサイトを立ち上げ、BtoB-ECの市場に参入する。同社はこれまで、一般消費者向けに、DIY用品を販売し、業績を拡大させてきた。今後は、「6兆円市場」ともいわれる事業者向けの市場でも、ECを拡充させていく計画だ。大都の山田岳人社長に、2022年の事業を振り返ってもらうとともに、BtoB-ECへの参入計画についても聞いた。


226万点を扱う


──2022年のEC事業の展開ついて聞きたい。

ECモールを中心に、DIY用品の販売が拡大した。2022年12月期の売上高は、前期比17%増の72億円となりそうだ。ECモールだけで見れば、伸長率は20%になるとみている。

売り上げが大きく増加している背景には、「品ぞろえ」「価格」「納期」を徹底していることがある。

「品ぞろえ」については、工具・パーツのメーカーや卸問屋が、当社の商品プラットフォームに、自ら商品を登録できる仕組みを構築している。当社の流通量が拡大するにつれ、メーカーの商品登録も増えている。

当社がプライベートブランドを展開しないことも、メーカーが信頼して商品を登録してくれる理由になっている。

現在、当社の販売ページで掲載している商品点数は226万点に及ぶ。今後も、取扱品目数は拡大していくだろう。

物流網を最適化し、当日出荷できる商品点数を増やしたことも、売り上げの拡大につながった。当日午前12時までに注文があった商品で、自社やメーカーの倉庫からすぐに出荷可能なものについては、その日のうちに出荷できる体制を構築している。

昨年東京に開設した独自の物流拠点も、千葉県に移転するなどして最適化を図った。

ECモールの当社の店舗で購入してくれれば、適正な価格で他店よりも早く届く。リピート率の向上にもつながっている。結果として、楽天市場やアマゾンなど、各ECモールで、DIY用品のジャンルで一番の売り上げを確保できた。それが売り上げの拡大につながった。

一方で、トラブルも起きた。3月に開設したBtoB-ECサイトで、顧客情報の漏洩が発生したのだ。調査の結果、漏洩の被害にさらされたのは2日間だけだったが、結果的に122件の情報が流出した可能性があることが分かった。

情報漏洩をきっかけに、開設したばかりのBtoBのECサイトを閉鎖した。本店であるBtoCのECサイトに影響はなかったが、お客さまの信頼への影響を考え、商品を購入できる機能を排除した。本店は現在、DIYの情報サイトとして機能している。

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