2023.01.12

メタバースブランド「V-air」、「第4回(2022年)日本イーコマース学会全国研究発表大会」に導入

メタバース上のショップを提供するメタバースブランド「V-air」を運営するUrthはこのほど、日本イーコマース学会の開催する「第4回(2022年)日本イーコマース学会全国研究発表大会」ポスターセッションの「メタバース会場」として「V-air」が導入された背景や、イーコマース学会として初めてのメタバース活用を主導したイーコマース学会専務理事の宮松氏へのインタビューによる学会でのメタバース活用方法などを公開した。

Urthの提供する「V-air」は、VR空間での店舗の開催、VRコマースに特化したメタバースサービス。メタバース上でのショップの保持だけでなく、顧客育成のためのオンラインファンミーティングの開催にも適しており、法人向けのバーチャルショップを作成することが可能だ。日本イーコマース学会が2022年11月に開催した「第4回(2022年)日本イーコマース学会全国研究発表大会」では、ポスターセッションのメタバース会場として導入された。


▲「V-air」の利用イメージ

日本イーコマース学会では、コロナの影響から2021年より学術発表等の場を全てオンライン上に移行した。当初は動画配信サービスを活用していたが、参加者同士の活発なコミュニケーションを求め、オンライン上でアバター同士のコミュニケーションが可能なメタバースに着目。同学会の若者世代や学生も含め、メタバースがもたらす将来性に期待し、学生が行う研究発表「ポスターセッション」の会場として、実験的に「V-air」の導入を検討した。

イーコマース学会として初めてのメタバース活用を主導したイーコマース学会専務理事の宮松氏は、学会でのメタバースの活用において、「V-air」導入を決意した理由について、複数のメタバースサービスと比較した結果、「VRコマースに特化したサービス」を提供しているのが「V-air」だけだった点が決め手となったとしている。また、今後開発予定の「メタバース上の会話ログの音声解析」を用いたデータ分析に基づくマーケティング施策も評価しての結果だったと述べた。

個人的にEC事業者としてメタバースに期待することは、「複数人での購入体験」だとし、「従来、ECと言うものは『1人』での購買体験のみでした。ただ、実際にECによる購買体験のアンケートをとると、複数人での購買体験がしたいという回答が全年代を通じて出ています。つまり、この『1人』でしか購買体験ができないというECの課題を、メタバース上での複数人による購買体験が解決してくれるのでは、と可能性を感じています」と話した。

実際にメタバース空間を導入してみた所感としては、3Dモデルのリアリティも魅力としてあるとしながらも、「やはり音声技術によって複数人対複数人がそれぞれの場で話ができる『多対多での個別コミュニケーション』が実現できたところは、課題こそ残したものの、総じて好評価を得ることができました」と述べた。

学会で実際にメタバースを活用してみて、得られた知見や経験については、従来のzoomなどのサービスでは、参加人数にかかわらず、1人が話をするとその他のすべての人は聞くことしかできない「1対1」でのコミュニケーションしかできなかったのに対し、メタバースでは「多対多での個別コミュニケーション」が実現できた事により、参加者のコミュニケーションが活発になったことを挙げた。学会の参加者からは、「久しぶりにアクティブに話せた」という意見が出たという。参加した学生からは、「アバターと話しているので大人の人と話をする際に臆することなく気軽に話が出来た」という意見もあったとし、「またぜひ開催して欲しい」という前向きな意見も多かったのが印象的だったと述べた。

今後に期待したい学会やECでのメタバース活用については、今回の大会を終えて、現在zoomで開催している研究発表会やイベントなどを実験的にメタバース上でも行っていきたいという声が理事会内でも挙がっているとした。メタバースを通じたECの購買体験については、「アバターにAIを搭載した接客などにも積極性をもって試していきたいたいと思います」とし、様々な実験を繰り返して、世の中にとってより良い、メタバースを通じたECの新しい購買体験がひろげていきたいとの考えを示した。




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