2022.11.22

中古レコードECの「スノーレコード」、海外で高まる日本のレコード需要 鍵は「日本語」への抵抗ない世代

越境ECでも高まるレコード需要

ほくほくとうが運営する、中古レコードのECサイト「スノーレコード」は、売り上げの大半を越境ECが占めているという。越境ECでは、レコードの人気が引き続き高く、2003年の創業から売り上げを伸ばし続けているようだ。

「最近では、国内アーティストのレコードが海外で売れる頻度が高まっている」(安藤智彦社長)と話す。以前はフランスや東南アジアといった地域での売れ行きが好調だったが、年々「日本のレコードが売れる国」が広がってきているという。「日本のアニメやシティーポップが世界に広がり、日本語に対してハードルがない世代が増えた。日本のレコードが売れるのはその結果だと考えている」(同)と話す。

同社では、CDやDVD、書籍なども含め、約4万点の商品を販売している。その9割以上を中古レコードが占めているという。「買い取りには広告費をかけているが、販売にはあまりかけていない。商材がコレクター志向の強い商品なので、広告をかけずとも売れる傾向にある」(同)と言う。

同社では、自社ECのサイトデザインにもこだわりを見せている。

「洗練されたデザインのサイトを外注で作ることはできるが、人の存在を感じさせる手作り感を意識している」(同)と話す。中古レコードというレトロでアナログな商材を取り扱っているため、「ネット上の街の中古レコード屋さん」のようなサイトデザインになるよう意識しているのだという。

「レコードEC市場は、今後も急激に拡大するような市場ではないと思う。ただ、新譜のリリースは増えているし、再生機器を製造しているメーカーもたくさんある。今後も少しずつ市場は拡大していくだろう」(同)と話す。

「レコードは単に”音楽を聴くメディア”ではない。物としても価値があるものだと思う。その価値を見い出して、顧客に提示していくのも、中古レコード店の仕事だと思っている」(同)と話している。





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