アフィリエイトサービスプロバイダ―(ASP)のBGテクノロジーは11月8日、不正な手法で広告主に損害を与えているアフィリエイターを特定して調査を開始したと発表した。同社によると、不正なアフィリエイターは、健康食品や化粧品EC企業約10社から、不正な方法でアフィリエイト報酬を取得していたという。購入者に対して、商品の転売の方法も指南していたとしている。BGテクノロジーは、不正なアフィリエイターを刑事告訴することも検討しているとしている。
クラウドソーシングで指示
BGテクノロジーは、アフィリエイトの成果報酬型ASP「SLVRbullet(シルバーバレット)」を運営している。
BGテクノロジーの大崎社長によると、不正を働いていたアフィリエイターは、クラウドソーシングサービスを使い、広告主のサイトから商品を購入する業務を発注していたという。
不正なアフィリエイターは、「SLVRbullet」から発行された、専用識別コードが設定されたアフィリエイトリンクを活用。クラウドソーシングで契約した人に対して、専用リンクから、広告主のサイトへ遷移して定期購入契約をするように指示していたという。契約者には、初回の商品が届いたら定期契約を解約し、商品をアフィリエイター自身に送るようにも指示していたとしている。
不正なアフィリエイターは、こうした一連の行為によって、広告主とASPからアフィリエイト報酬を不正に得ていた。アフィリエイト報酬は1件当たり数万円に及ぶという。
購入者から自分に送らせていた、化粧品や健康食品の初回商品は、アマゾンやメルカリで転売していたことが分かったとしている。
BGテクノロジーの大崎社長によると、不正を行っていたアフィリエイターとは現在、連絡が取れない状況が続いているという。所在地は確認できているとしている。特定したアフィリエイターは、「SLVRbullet」以外のASPにも登録していたことが分かっているとしている。
同社では、アフィリエイターによる、定期購入商品に関する報酬の不正取得と不正な転売は、今回特定したアフィリエイター以外も行っている可能性があり、引き続き調査を行っていくとしている。
被害を受けた化粧品通販企業の1社では、アフィリエイターに指示されて実際に商品を購入したという顧客へのヒアリングを行ったという。その購入者は、自分で商品を使用しており、転売は行っていなかったそうだ。購入者が、商品の購入で得られる報酬は、商品代金と500円だけだったという。