2022.11.14

「値上に対する生活者の出費意識」調査の結果を公開 生活者意識にみる「プラス20%の価格の壁」

スコープはこのほど、データマーケティングセンターにおいて、身近なモノの値上げが相次いだ10月の生活者の「出費」や「値上げと値下げ」に対する意識調査を実施し、その概要を公表した。20%を超える値上げで「買うのをやめようと思う」第一の“壁"が存在していることなどがわかった。

スコープは身近なモノの値上げが相次いだ10月には「値上げに対する生活者の出費意識」調査を実施した。調査期間は10月7日~11日、全国の20歳~69歳の男女1000人を対象に行った。

売り手にとって過度な値上げは、購買減少につながりかねない。一方で無理な価格維持や値下げは安定的な事業継続に支障をきたす可能性があるとし、10月の商品値上げ直後に実施した調査の代表的な項目の結果と、調査結果を元にした考察を公開した。

「出費」に対する項目ごとに、積極的に出費をしたいと思うか?をたずねた問いでは、​最上位となる「当てはまる(=積極的に出費をしたい)」と回答した人は、いずれの項目でも2割に届かず、全体を通して勢いは感じられない結果となった。

【「出費」に対する以下の項目ごとに当てはまるあなたの気持ちは?】


項目同士の比較では、自分の趣味や家族のため、「健康」「快適に暮らすためのモノ・コト」といった、生きる上でのベースとなる要素にお金を出したい意識が比較的高い傾向にあるようだと分析している。一方で、「流行・世の中で話題になっているモノ・コト」や、“社会貢献”に関連する出費意欲は低いように、物価上昇が続くなかで、家族を含めた狭い範囲に絞った堅実な出費への意識が強まっていることがうかがえるとしている。

セール等で商品を「通常よりも安価で販売する」ことについての気持ちをたずねた問い(複数回答)では、前年代を通して「家計が助かるので嬉しいと感じる」と答えた人がもっとも多く、「得した気分になる」が続いた。全体を通して男性よりも女性、年代では年齢が高いほどポジティブに捉えている割合が大きい結果となった。また、4人に1人が「エコの視点からもよい」と捉えていることもわかった。

【セール等で商品を「通常よりも安価で販売する」ことについてどう思うか?】



価格100円の食料品、1000円の衣料品、1万円の電化製品について、「ちょっと値上がりを実感するが、買うのには支障をきたさないと思う金額」「値上がりを実感し、買うのをやめようと思う金額」「値下げ額から、ちょっとお得感を感じ始める金額」「値下げ額が大きすぎて、品質などに不安を感じる金額」の4項目に当てはまる金額をたずねた問いからは、価格による若干の差があるものの、5~15%程度の値上げでは「値上がりを実感するが、買うのには支障をきたさないと思う金額」と思っている人が多いが、20%を超える値上げで「買うのをやめようと思う」第1の“壁"が存在していることがわかった。








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