2022.09.27

桜鱒のD2C事業を展開するSmolt、約6500万円を調達 販路拡大と研究開発を加速

本桜鱒のD2C事業を展開

養殖桜鱒の「本桜鱒」と「つきみいくら」を生産・販売するSmoltは9月15日、サザビーリーグ、九州オープンイノベーションファンド1号投資事業有限責任組合(GxPartners)、みやざき未来応援3号ファンド投資事業有限責任組合(宮崎太陽キャピタル)、テレビ宮崎を引受先とする第三者割当増資より、約6500万円の資金調達を実施した。調達した資金は、D2C事業の商品開発、サクラマス種苗事業の研究開発の強化、人材採用等に活用し、D2C事業の販路拡大と研究開発を加速を目指す。

Smoltは、世界でも稀な循環型養殖技術によって桜鱒を育てる宮崎大学発のベンチャー企業。「100年先もおいしい魚を楽しめる世界を実現する」をコンセプトに、桜鱒の商品を販売するD2Cブランド事業、環境耐性の強い家系の開発し、水産業をサポートする種苗事業に取り組んでいる。これらの事業は食文化そのもののサステナビリティに貢献するものとして、2021年には「STI for SDGsアワード」で科学技術振興機構理事長賞を受賞。海外においても、2022年11月にドイツで開催される「Falling Walls Venture 2022」のファイナリストに選出されるなど、国内外で高い評価を得ている。

桜鱒は、サケ科の魚でヤマメが大きく成長した個体の呼称。天然では資源量が少なく、食材としても希少な桜鱒をSmoltでは独自の手法で養殖。手間ひまをかけ、淡水と海の生け簀を行き来させることで、人為的にこの魚の生活史を再現しており、「養殖の魚のトップを目指し、本物を追求する」という思いを込めて立ち上げたというブランド「本桜鱒」は、高級フレンチや日本料理店のメニューでも採用されている。独自の養殖工程で育てた「本桜鱒」が抱えるいくらを新鮮なまま秘伝の味付けで仕上げた「つきみいくら」も、老舗百貨店のギフトカタログに採用されるなど目利きのバイヤーの評価を得ている。


▲つくみいくら

このほど、事業会社など4社を引受先とする第三者割当増資を実施し、プレシリーズAランドで約6500万円の資金調達を行った。引受先として参加したのは、新規株主となるサザビーリーグ、みやざき未来応援3号ファンド投資事業有限責任組合(宮崎太陽キャピタル)、テレビ宮崎と、既存株主の九州オープンイノベーションファンド1号投資事業有限責任組合(GxPartners)。

今回調達した資金は、「つきみいくら」をはじめとするD2Cブランド事業の商品開発やマーケティング、販路拡大、および本桜鱒の種苗事業の飼育設備の確保と研究開発に活用する。また、今後の事業成長に向けた組織作りとして、人材採用を行うとしており、今後の事業成長の基盤構築を目指す。

今回の資金調達にあたり、Smoltの上野賢代表取締役は、「2019年に当社を創業して以来、桜鱒の育成技術を開発しながらプロダクト開発、マーケティング、ブランディングなど様々なことに取り組んできました。この活動の根底にある思いは“100年先もおいしい魚を楽しめる世界を実現する”というものです。これまで日本人が育んできた素晴らしい魚食文化を、私たちのライフスタイルの中にいつまでも残していきたいと考えています。本ラウンドでは、このような当社の思いに共感いただいた素晴らしいパートナーの方々に参画していただくことができ、光栄に思います。より一層気を引き締めて、夢を持ち事業に取り組みます」とコメントした。

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