生活用品や雑貨などを販売するECメディア「北欧、暮らしの道具店」を運営するクラシコムの2022年7月期における売上高は、前期比13.9%増の51億6300万円だった。物販売り上げの半数を占めるオリジナル商品の販売が好調だった。売上高は4年で2倍超に拡大している。
クラシコムの事業は、キッチン用品やインテリア雑貨、アパレルを中心に物販を行う「D2Cドメイン」と、メディアの訴求力を生かしてクライアントのPR支援を行う「ブランドソリューションドメイン」の2種類で構成している。両ドメインとも売上高は堅調に推移したという。
「D2Cドメイン」の売上高は同14.1%増の48億6000万円だった。オリジナルブランド「KURASHI & Trips PUBLISHING」やコスメの新作アイテムが好評を博したほか、既存商品の積極的な再販売、北欧食器の復刻版の展開などが売り上げ拡大に寄与した。
▲オリジナル商品比率が50%に上る「『KURASHI & Trips PUBLISHING』の新商品として『気持ちに寄り添うブラックフォーマル』という冠婚葬祭向けのアイテムを発売したところ、即完売となった。『シンボリックネイルカラー』は大ヒットと言っていい売れ行きとなっている」(青木耕平社長)と話す。
▲新商品が好調でD2Cドメインが増収「ブランドソリューションドメイン」の売上高は同10.9%増の3億300万円だった。新規や既存のクライアントとの取引が拡大し、売上高は堅調に推移した。
▲ブランドソリューションドメインの好調要因顧客接点の核となるスマホアプリのダウンロード数は、累計216万件(2022年7月末時点)になった。アプリ経由の注文数は、全体の約57%を占めている。
営業利益は同8.0%増の8億4100万円、経常利益は同6.7%増の8億5000万円、当期純利益は同1.7%減の5億6100万円だった。2021年7月期は所得拡大促進税制の税額控除により、税率が低減したため、その反動で2022年7月期の当期純利益がマイナスになったという。
スマホアプリのダウンロードを訴求するため、広告施策を強化したことで、販売費・一般管理費が同11.5増の14億2000万円となった。
2023年7月期の売上高は、同12.4~17.1%増の58億100万円~60億4400万円を計画している。営業利益は同3.0~7.3%増の8億6600万円~9億300万円、経常利益は同2.3~6.6%増の8億7000万円~9億600万円、当期純利益は同7.2~11.7%増の6億100万円~6億2600万円を見込んでいる。
「資源高や地政学的要因で外部環境が不透明なため、業績予想は幅を持って出している。基本的には上限を目指して動いている」(同)と話す。