2022.09.10

新潮社、キャラグッズや書籍関連のグッズなど独自性の高い商品を増やしECサイト強化へ

週刊新潮などを発刊する新潮社は2021年4月、ECサイトのリニューアルを行った。産地直送品などの、商品ラインアップを増やした。2021年は好調な売り上げを維持していたが、2022年に入り売り上げの伸びが鈍化。今後は、同社で出版している書籍関連のグッズなど、独自性のある商品を増やしていく戦略だという。

同社が発行する媒体の読者の中心は高齢者。ECサイトの顧客も高齢者が中心だという。「近年では高齢者のEC利用者が増えていると聞くが、それは60~70代の話だと思う。当社のメイン顧客である80~90代では、ECの利用率はまだまだ低い」(コミック&プロデュース事業部ウェブ事業室・今村北斗氏)と話す。

2021年のリニューアルで商品ラインアップを増やしたことにより、一時的に売り上げは伸びた。しかしその後は、新商品は売れるが、既存商品の売り上げは下がるなど、トータルの売り上げが伸び悩んだという。「結果として、既存顧客の顧客単価は変わらなかった。食品の売り上げは伸びたが、雑貨などと比べると利益率が低い。売り上げ以上に、利益を落とす結果になってしまった」(同)と話す。


▲2021年は産地直送品などの追加商品が好調

同社では今後の方向性として、キャラグッズなど独自性の高い商品ラインアップを増やしていく方針だという。「現在でも、ファンタジー小説『十二国記』のグッズなどは人気が高い」(同)と話す。「だが問題もある。むやみにグッズを発売すると、ファンが離れてしまうこともある。グッズ作成を多くしすぎて、作家の本業に悪影響を与えるわけにもいかない」(同)とも話す。

「自社の顧客に向けた、仕入れ品の通販・ECは今後厳しくなってくるだろう。『十二国記』だけでなく、自社のコンテンツを生かした商品を少しずつでも増やしていき、ECの売り上げにつなげていきたい」(同)と話している。





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