2022.08.24

【越境EC進出〈北米編〉】高い購買力を持つ市場にアプローチ 海外ユーザーにとって日本製品は『一種のセール状態』

北米向け越境EC市場が活況だ。円安の影響で、海外ユーザーにとって日本製品は『一種のセール状態』となっている。高い購買力のある米国消費者を取り込もうと、北米向け越境ECに新規参入する事業者も少なくない。北米向けに、高価格帯の商品の展開を始める事業者もある。米国向けECの集客においては、インフルエンサーやSNSを活用して成功するケースが多いようだ。お菓子のサブスクを展開し2022年7月期の売上高が前期比43%増の約40億円になったというICHIGOでは、米国顧客が約7割を占める。同社では、外国人インフルエンサーを活用しプロモーションを行っているという。北米EC市場の最新事情を紹介する。



<CONTENTS>
▶【ICHIGO】銘菓サブスクが好評 2022年7月期売上高は40億円に
▶【東宝ステラ】ゴジラグッズを販売 SNSで海外ファンにアプローチ
▶【ラッキー商会】8割がインスタから流入 平均顧客単価は3万円
▶【佐治陶器】日本の伝統工芸品「土鍋」 円安が追い風になり人気に



【ICHIGO】銘菓サブスクが好評 2022年7月期売上高は40億円に


ICHIGO(イチゴ)は、日本の菓子を越境ECで販売している。米国からの購入顧客が70%以上を占めるという。2022年7月期のEC売上高は、前期比43%増の約40億円になったとしている。

同社は、複数の越境ECサービスを手掛けている。特に人気が高いのは、日本各地で人気の銘菓を詰め合わせたサブスクサービス「Sakuraco(サクラコ)」だ。同サブスクでは、月ごとに決めたテーマに沿って、日本の伝統的な菓子をボックスに詰めて届けているという。


▲サブスク「Sakuraco」(7月限定で沖縄・大宜味村とのコラボ商品「Okinawa Retreat」を販売)

同社ではその他、「KITKAT(キットカット)」など日本で有名な菓子を集めたサブスク「Tokyo Treat(トウキョウトリート)」や、日本化粧品と韓国化粧品を詰め合わせたサブスク「nomakenolife(ノーメークノーライフ)」なども運営している。

2022年7月期の売上高は約40億円。こうした成長の要因は、「商品へのこだわり」にあるとしている。

海外では手に入りにくい、期間限定商品や地域限定商品も取り扱っているという。海外の人が好むような、和菓子やお茶のオリジナル商品の開発にも取り組んでいる。こうした取り組みも、海外顧客から選ばれる理由になっているという。

社内に外国人マーケッターがいることも大きな強みの一つだという。そのため、海外顧客が好む商品を開発できているそうだ。インターネット広告のクリエーティブは、現地顧客に関心を持ってもらえるよう制作しているという。

日本の文化を投稿している外国人インフルエンサーや、外国に詳しい日本人インフルエンサーも、積極的にPRに活用している。フォロワー数が5000人から3万人規模のマイクロインフルエンサーに依頼するケースもあるという。プロジェクトや時期ごとにインフルエンサーを使い分けているとしている。

プロダクト開発からフルフィルメントまでを、一貫して自社で行えるようにし、コスト管理に努めていることも、成長の大きな要因になっているという。

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