2022.08.12

【独自】厚生労働省、「充填済みハードカプセルは自主回収不要」 クオリカプス問題で自治体向けに見解示す

カプセル製造大手のクオリカプスが健康食品用ハードカプセルの自主回収を行っている件について、厚生労働省は8月9日、「当該カプセルを使っていても、充填済みの製品については回収不要」である旨を示す事務連絡を、全国の自治体に対して発出した。

事務連絡は、奈良県消費・生活安全課からの、文書による照会に答える形式となっている。

「当該健康食品用カプセルに内容物を充填したカプセルの取り扱いについては、健康上の危害を生じる恐れは極めて低いと考えられ、これらの廃棄、回収等に係る行政措置を執る必要はないと考えるが、貴省の見解を伺いたい」とする照会に対して、厚労省は、「貴見の通り」としている。

充填済みではない空カプセルの扱いについては、事務連絡では言及していない。

本紙取材に対して厚労省は「カプセルのメーカーが引き続き自主回収を行っていくと理解している」(食品監視安全課)と話した。

クオリカプスでは6月22日、同社が製造していた、ゼラチンカプセルとHPMCカプセルの空カプセルを自主回収すると発表した。ハードカプセル製造時に離型剤として使用していた「流動パラフィン」と「二酸化チタン」の2成分が、食品衛生法で規制される「食品添加物の目的外使用」に当たることが分かったという。

クオリカプスでは、奈良県郡山保健所の指導に基づき、空カプセルの自主回収を決めたとしていた。

クオリカプスでは、6月22日の発表で、カプセルの自主回収について、「空のカプセルを対象として自主回収する。既に充填済みのカプセルは対象外」としていた。
ただ、充填済みカプセルの扱いついて厚労省はこれまで明確な判断を示しておらず、厚労省の対応が注目されていた。

7月29日には、カプセルメーカーのロンザも、離型剤の成分として「流動パラフィン」を使用していたとして、6月末以前に製造したゼラチン製ハードカプセルの空カプセルの回収を発表していた。

ロンザのカプセルについても同様の考え方になる可能性が高いとみられるが、厚労省は、「ロンザについては、現在のところ、何か見解を示す予定はない」(同)としている。「同様に照会があれば、見解を示す可能性はある」としている。




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