「パンスク」、予約3カ月待ちの人気 広告費かけず露出拡大に成功
菓子パンなどを定期通販で提供するパンフォーユーはコロナ禍において、予約販売商品が最大3カ月間待ちになるなど、多くの新規顧客獲得に成功している。会員数は2022年5月時点で2万人を突破。顧客に”ワクワク感”を与えるサービス内容と、プロモーション戦略が奏功した。
パンフォーユーは、消費者と全国のパン販売店をつなぐプラットフォーム「パンスク」を運営している。「パンスク」で提供する商品内容は、消費者に明かさない。何が届くか分からない”ワクワク感”が、消費者から好評を集めている要因だという。
▲菓子パンなどを定期便で届ける「パンスク」「コロナ禍になって旅行に行きづらい人などが、全国の有名店のパンを味わうことができる『パンスク』を利用してくれていると考えている」(広報)と分析する。
パンフォーユーは、「パンスク」の利用者獲得のために、広告費は一切かけていない。ネット広告やSNS広告ではなく、テレビなどのメディア露出を重要視している。
「広告運用でサイトへの流入者数は増えると思うが、会社で伝えたい理念などは伝えにくい。地方で苦しんでいるパン販売店の状況や、そのパン販売店の魅力などは、テレビの方が伝わりやすいはず」(同)と考えた。
テレビなどのメディア露出を強化するため、パンフォーユーは「パンスク通信」を発行し、メディア関係者に向けて発信した。
「パン販売店がどのような地域で営業しているのか、陳列している商品、コロナ禍での状況などを掲載した」(同)と言う。
メディアに取り上げてもらえるような内容構成を意識している。
現在(2022年7月時点)でも、変わらず利用者数と出店店舗数は増加している。6月には約6億円の資金調達も実施した。今後は調達資金を生かし、ウェルネス(健康)分野へ進出する計画だ。