2022.06.19

中小企業の9割超が「Instagram」運用に『効果』実感 最も使う機能は『ストーリーズ』、投稿頻度は『1日1回』が最多

Webコンサルティング企業のECマーケティングは6月14日、月商1億円未満の企業の「Instagram」運用担当者に対して実施した、自社の「Instagram」運用に関するアンケート調査の結果を公開した。「Instagram」の効果を感じている人、Webマーケティングにおいて「Instagram」運用を重要だと感じている人ともに9割を超えた。フォロワー数はさほど多くはないものの、投稿頻度が高い企業が多いことから、実際に売上や集客につながり、効果を実感している企業が多い結果となったとしている。

一般的なコミュニケーションツールとして、ほとんど人がSNSを利用している昨今、中でも「Instagram」は、国内のアカウントが3300万人を超え(2019年3月時点)。アカウント数では、「LINE」「Twitter」に次ぐ国内第3位のSNSとなるが、その影響力は「LINE」「Twitter」を凌ぐとも言われている。

こうした状況を受けECマーケティングは、「Instagram」の法人アカウントを運用する担当者に対し、「Instagram」の効果や運用方法についての調査を実施。アンケート期間は、2022年5月2日~5月3日、年商1億円未満の企業の「Instagram」運用担当者を対象にした調査で、221人の回答を得た。

「Instagram」の運用期間は、「1年半~2年未満」が一番多く40.4%だった。次いで「1年~1年半未満」が23.4%、「2年~3年未満」が20.6%となった。運用期間が3年未満の企業が86.7%と、最近運用を始めた企業が相当数いることがわかった。



担当している「Instagram」の法人アカウントのフォロワー数は、「300人~1000人未満」が21.7%ともっとも高く、「1000人~5000人未満」が21.3%と僅差で続いた。フォロワー数1万人未満の合計が82.8%、1000人未満の合計が45.7%となり、半数近くがフォロワー数1000人未満という結果となった。



「Instagram」の投稿頻度を尋ねた問いでは、「1日に1回程度」が36.2%と最多で、次いで「1週間に2~3回程度」が23.1%、「1日に2~4回程度」が19.5%だった。約6割の企業が1日に1回以上投稿していることになり、SNSを運用する企業は、情報提供の配信頻度を大切にしている企業が多いことがうかがえるとしている。



「Instagram」でどのような情報を発信しているかの問いでは、「既存商品・既存サービスの情報」「商品・サービスの使い方や活用方法」がともに45.7%で一番多く、次いで「新商品・新サービスの情報」が37.1%、「商品・サービスとは無関係な個人的内容」が32.6%だった。



法人アカウントのため、商品・サービスに関する情報提供がもっとも多かった一方で、「セール情報」や「割引・クーポン情報」が少なかったことに注目し、主に金額訴求ではなく、商品やサービスの認知や促進を目的として「Instagram」を活用するケースが多いようだと推察した。

よく利用する「Instagram」の機能を尋ねた問いでは、「ストーリーズ」で60.2%と最多。次いで「フィード」が44.3%、「リール」が43.9%という結果になった。最も利用されている「ストーリーズ」は、通常のフィード投稿とは違い24時間で消える投稿。気軽でリアルタイム感があることから、フィード投稿よりもよく使うユーザーが増えている機能だ。



また、「ライブ配信」機能も4割以上が利用していることがわかった。「インスタライブ」とも呼ばれる同機能は、当初は芸能人などフォロワーの多い一部の人が利用していたが、現在では法人アカウントでもかなりの利用者がいることがうかがえるとしている。

SNSは、キャンペーンを実施・告知することによる情報のシェアも多いため、新規のフォロワー獲得に利用されるケースも多い。「Instagram」でのキャンペーンの実施についての問いでは、85.6%がキャンペーンを実施したことがあると回答した。



「Instagram」でユーザーに直接アクション(いいね!やフォロー、コメントなど)を行っているかを尋ねた問いでは、88.5%が行っていると回答した。SNSは、法人がユーザーと直接コミュニケーションをとれるツールとして、ユーザーへのアクションを大切にしている有名企業も多い。ユーザーとのコミュニケーションを強化することで、実際にファンを増やし、売上が上がった企業も多く、成功事例として様々なところで紹介されている。こうした状況により、「SNS運用=ユーザーとのダイレクトコミュニケーション」という認知が一般的に広がっているのかもしれないとの見解を示した。



Webマーケティングにおいて、「Instagram運用」はどのくらい重要だと思うかの問いでは、「とても重要だ」(31.2%)と「そこそこ重要だ」(61.1&)という人を合わせると92.3%にものぼった。



重要だと回答した人に理由を尋ねたところ、「お金をかけずに宣伝効果が得られるため」「これからの時代を見据えて考えていくことが重要だから」「これからはSNSの時代だから」「バズって拡散することが期待できるから」「ビジュアルで視覚的に訴求するには一番適したSNSだから」「ファンとの繋がりが重要だと思うから」「ユーザーの意見を直接いただけるから」「購買者のデータを収集することで継続的なアプローチや消費者分析に活かせるので」「潜在的な顧客アプローチにも使えるから」「売り上げが伸びるから」などの意見が寄せられた。売上や集客に直結する点を挙げている人が目立つほか、ユーザーや顧客とのダイレクトなコミュニケーションが可能なこと、口コミの効果を期待できることなどの理由が多いようだとしている。

「Instagram」の効果を感じているかの問いでは、91.9%もの人が効果を感じていることがわかった。



効果を感じていると回答した人に、どのような点で感じたかを尋ねたところ、「店舗の売上が伸びた」が最も多い54.7%、ほぼ同列で「Webサイトへのアクセスが増えた」が53.7%だった。さらに「Webサイト/ECサイトからの売上が伸びた」が38.4%、「店舗への集客が増えた」が36.5%と続いた。この結果から、「Instagram」は単にファンを増やすツールではなく、売上や集客にも貢献できる施策だと言えるとしている。



「Instagram」の運用で悩んでいることや困っていることについては、「運用する社内リソースが足りない」が42.1%で最も多く、次いで「投稿内容のネタ不足」が37.1%、「投稿内容のエンゲージメントが期待するほど伸びない」が33.5%という結果になった。



アンケート結果では、「売上に結び付いた」という法人アカウントも相当数あったが、SNS運用は広告と異なり、何をどれだけやればどれくらいの売上が上がるかを想定することが非常に困難であることから、専任の社内リソースを確保できる企業は少なく、もっと注力したいと考えてはいるが、社内リソースが割くことができないという現状が想定されるとしている。また、SNS自体の運用ノウハウを持つ人が少なく、手探りで運用しているケースもあるのではないかと推察している。




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