2022.05.23

オイシックス・ラ・大地、移動スーパー「とくし丸」が1000台突破 高齢者向け新サービスに向け協業企業募集

食品のサブスクリプションサービスを提供するオイシックス・ラ・大地の連結子会社とくし丸はこのほど、運営する移動スーパー「とくし丸」の稼働台数が2022年5月に1000台を突破したと発表した。移動スーパーの稼働台数が1000台を超すのは、移動スーパー業界で初となる。今後は買い物支援に止まらず、利用者の生活の質の向上を支援できるよう、新サービスの開発に向けて協業企業の募集を開始する。これからも持続的成長に向けて、地域の人々に必要とされる事業を目指す。

とくし丸は、高齢化や単身世帯の増加、地元小売業の廃業、既存商店街の衰退等により、 過疎地域のみならず都市部においても高齢者等を中心に食料品の購入や飲食に不便や苦労を感じる“買い物難民”の支援を目的として、2012年1月に徳島県で創業。2016年5⽉からはオイシックス・ラ・大地の子会社となり事業を推進している。



とくし丸本部が地域スーパーと提携し、移動スーパーのノウハウを提供し、地域スーパーは販売パートナー(個人事業主)と契約して商品を提供・販売を委託する仕組みとなる。販売パートナーは、地域スーパーの商品を選りすぐり、生鮮食品から日用品まで約400品目1200点の商品を冷蔵機能を備えた専用の軽トラックに積み込み、担当エリアを3日に1度の頻度で利用者の自宅前まで訪問し、商品を販売する。創業から10年の2022年5月時点で、143社の地域スーパーと提携しており、全都道府県で約1000台の移動スーパーが稼働している。



多店舗展開するスーパーとの提携増加や、増車の仕組み化を進めたことにより、2021年5月からの1年間で220台の増車となった。月間流通総額は、2021年12月に20億を超え、2021年の年間流通総額は前年比+140%の212億円となった。日販平均も10万円を超え、年間を通し安定的に推移している。



販売パートナー向け事業説明会の問合せ数は、オンライン説明会を2020年に開始して以降増加しており、年間1000件以上の問合せが寄せられている。「ビジネスと社会貢献を両立できる仕事」を求める人々に対し、理想的な仕事となるよう、より安心して事業に携われる仕組みづくりを進めていくとしている。

さらにこのほど、利用者の生活の質の向上を支援できるよう、新サービスの開発に向けて協業企業の募集を開始。同社と共に高齢者の生活の課題解決に取り組む企業を募る。

創業から10年間、買い物支援に携わってきた同社は、販売パートナーが日々地域の顧客と直接顔が合わせる中で「高齢者の困りごと」は買い物以外にも多くあることがわかってきた。さらに数年かけて顧客に対しヒアリングを重ねると「高齢になると自身の生活上の課題を言語化することも難しくなる」ということもわかったとし、こうした高齢者特有の課題に寄り添いながら、利用者の生活をより快適にしていくため、新たなサービス構築を目指す。



顧客にとって良いサービス・商品を一早く提供するため、協業企業と共にサービス開発を行いたいとし、共に高齢者の生活の課題解決に取り組む企業をQRコードと問合せリンクより募集している。

これに伴い、とくし丸創業者であり、取締役ファウンダー・新規事業担当の住友達也氏は、「かつて『大きいことはいいことだ』という言葉が流行った時代があったけど、もはやそんな時代ではない。大きいことはいいこともあるけれど、それだけでいい訳ではない。その大きさに見合った質が問われるのだ。そのことを肝に銘じて、この1000台トッパを迎えたい。『あって良かった』と言われる存在を目指して、大きさも、質も、さらに磨きをかけていかなければと心底思う。難しい課題ではあるけれど、堅太りしないように注意し、バランスの良い仕組みを目指したい」とコメントした。


とくし丸 創業者 取締役ファウンダー 住友達也氏
 
とくし丸の新宮歩代表取締役社長は、「提携スーパー、販売パートナー、お客さま、関係者の皆様のこれまでのお力添えに、心より感謝申し上げます。1000台を超えて、さらに販売エリアを広げていき『買い物難民』という言葉が無くなるよう努め、3000~4000台まで増やしたい考えです。移動スーパー事業を通じ分かってきた高齢者の課題についてさらに役割を広げ、ビジネスを通じて課題解決を図るため、まい進します」とコメントした。


とくし丸 新宮歩社長





RECOMMEND合わせて読みたい

RELATED関連する記事

RANKING人気記事