2022.05.22

生鮮食品EC「クックパッドマート」、ANA Cargoと連携 独自の流通網と空輸を活用、1都3県への配送を大幅短縮

クックパッドは5月19日、生鮮食品EC「クックパッドマート」において、ANA Cargoとの連携を開始した。「クックパッドマート」独自の食品流通網とANAの航空輸送を活用し、地方で収穫した食材の配送にかかる時間を大幅に短縮する。これまで収穫から生活者に届くまで5日程度かかっていた食材が最短翌日に1都3県の「クックパッドマート」ユーザーに届くなど、より新鮮な食材の提供を可能にした。

クックパッドは、食のつくり手と消費者をつなげる生鮮食品ECプラットフォーム「クックパッドマート」において、1000店を超える出店者が販売する生鮮食品や日配品など、約1万5000種類の商品を取り扱っている。

クックパッドとANA Cargoこのほど、ANA Cargoの旅客機の貨物スペースを活用した航空輸送と、「クックパッドマート」の流通網を組み合わせ、地方の食材を1都3県にいち早く届けるための連携を開始した。

同連携により、「クックパッドマート」のユーザーからアプリで注文を受けた地方の生産者は、ユーザーの指定する配送日に合わせてANAの集荷拠点(各地の空港)に商品を持ち込み、出荷する。その後商品は、ANA航空機によって羽田空港へと空輸され、「クックパッドマート」の流通網により1都3県のマートステーションに配送される。これにより「クックパッドマート」の出店者は、鮮度を保った状態で大消費地の1都3県まで商品を届けることが可能になる。



「クックパッドマート」は、食のつくり手と消費者をつなげる生鮮食品ECプラットフォームとして、独自の流通網を構築。現在、1都3県の約700カ所に生鮮宅配ボックス「マートステーション」を設置している。

サービスを展開するなか、ユーザーが料理を楽しむために、より新鮮な状態で、さまざまな産地のものを購入できる仕組みの必要性を感じていたとし、高知県で地元の食材を取り扱うHarunaより、1都3県の生活者に新鮮な高知の食材を届けたいとの相談を受けたことから、2021年12月よりANAの航空便と「クックパッドマート」の流通網を組み合わせた本連携のトライアル運用を開始。これにより、従来は都内の小売店に並ぶまで5日程度かかっていた野菜などの1次産品が、収穫後最短翌日には1都3県の生活者に届けられるようになった。

この結果を受け、クックパッドとANA Cargoは、今後さまざまな地方の食材を「クックパッドマート」で取り扱うことや、1都3県で開催される食関連イベントでの出店などを視野に入れ、さらなる連携の強化を決定した。本連携の一環として、5月20日~22日に東京の有明で開催される「Tokyo Tokyo Delicious Museum」への出店も行う。

連携開始にあたり、クックパッドの買物事業創造本部 末吉謙太本部長は、「今回のANAグループとの提携で、1都3県の家庭ではなかなか手に入れることができなかった鮮度の高い産直食材も、1品から送料無料で食卓にお届けできるようになりました。『クックパッドマート』は、サービス提供開始以来、構築してきた独自のシステムに空輸便を組み合わせることで、これまでにない商流で家庭の食卓を豊かにしていきます。また、食材だけでなく、つくり手のこだわりや想いもアプリを通じて多くの方々へお届けすることで、日常の買物をより楽しく、便利なものにしていきます」とコメントした。

ANA Cargoの中根康博国内第2顧客販売部長は、「旅客機の貨物スペースを活用した航空のスピード輸送と、消費者とつくり手をつなぐ生鮮食品のCtoCプラットフォーム『クックパッドマート』によって、各地域で生産された農水産物をダイレクトに消費者に届けることが可能となりました。プラットフォーム内コンテンツでは、消費者への鮮度の高い商品提供に加え、つくり手からお届けまでの物流を見える化します。 クックパッド、Harunaとの連携を通して、新しい消費体験を生み出し、日本を元気にしていきます」とコメントした。

Harunaの田増義大代表は、「コロナ禍の影響で、主に東京の飲食店に出荷していた高知の生産者や弊社は、売り上げが激減するとともに、多くの食材が行き場を失っていました。さまざまなアイデアや工夫を重ね、ANA Cargo社、クックパッド社との連携により、鮮度の関係などで今まで県外に提供できなかった高知食材を、一般の方々までお届けすることが可能になりました。高知の生産者は、事業継続が困難な状況になっていましたが、この新しい販路の拡大により新しい収入源が確保でき、本当に助かっています。2社の連携がなければこのコロナ禍を乗り切ることはできなかったといっても過言ではありません。この物流システムを利用して、今後は飲食店などにも利用していただきたいと考えています」とコメントした。



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