【CASE.1】釣具の越境ECサイト「アジアン・ポータル・フィッシング」
日本の釣具メーカーの商品20万点以上を集積した越境ECサイト「アジアン・ポータル・フィッシング」を2019年に「eBay」に出店。高品質の日本の釣具は、海外でも認知度の高いブランドが多いが、商品の集積、使い方などの情報発信、販売の信頼性を併せ持つ越境ECサイトは少なく、世界中の釣り愛好家から注目を集めている。販売実績でもeBayの全セラー（出品者）の中から選ばれる「2019 eBay Japan Awards」で、新人賞にあたる「ライジング・スター・オブ・ザ・イヤー」を受賞した。越境ECの始め方から成功の秘訣まで、同サイトを運営するアジアン・ポータル CEO 大谷康平氏に聞いた。
１カ月で1000件以上
――越境ECを始めた時、想定外だったことは？
大谷：「eBay」で販売を始めた時、驚いたのは”問い合わせの多さ”ですね。その数、毎月1000件以上。世界にはフィッシング関連の市場が日本よりも大きい国がたくさんあること、さらに日本の釣具メーカーのブランドが人気であることは以前から知っていました。それでも、1カ月で1000件以上というのは驚きでしたね。
――海外のお客さま（バイヤー）とのやり取りで工夫していることは何ですか？
大谷：「ユーザー体験」を非常に大事にしています。商品を手に取った後のベネフィットをいかに感じてもらえるか。商品の価値や恩恵を感じてもらうために、何が提供できるかを、考えています。そこで私たちはソーシャルメディア（SNS）やブログを活用しています。ブログでは商品の詳細な仕様や使い方がわかるように、メーカー提供の動画や英語の商品マニュアルのリンクを貼ったり、釣りたい魚やロケーションにあわせて商品をご案内しています。SNSではお客さまからの投稿もあり、きめ細やかな情報をお客様と共有できるように心がけています。
リピーター率35％は今も伸長中
――そうした効果はどういうところに表れていますか？
大谷：リピート客の多さだと思っています。リピーター率はだいたい35％ぐらいで、日々増えている状況です。リピート客が増えている理由は情報発信以外にもあります。お客さま（バイヤー）からのメッセージによくあるのですが、私たちが販売している商品の到着は「とにかく早い」と書いていただいています。早くて確実に届くという、自分たちにもできる努力が販売への信頼となり、リピートにつながっていると思います。
――他に、お客さま（バイヤー）からのフィードバックで印象に残るエピソードは？
大谷：釣り上げた時の写真をよく送ってくれます。これもユーザー体験を提供できているからではないかと思っています。「あなたのお店で買ったリールを使って、こんな魚が釣れたよ」っていう便りは、一番嬉しいですね。「eBay」らしいコミュニケーションだと思っています。
まずは「始めること」
――これから「eBay」を始める方たちにアドバイスはありますか？
大谷：とにかくスタートすることだと思います。迷っていては何も動かないので、まずは始めてみることが大事だと思います。始めてみると今まで見えてこなかったことがたくさん見えてきます。そこに合わせて自分自身を変えていくことが一番重要なのではないかと思っています。
＜「eBay」で越境ＥＣを成功させるポイント＞
・海外マーケットの大きさと商材の可能性に着目
・海外に伝えきれていない魅力を情報発信
・日本顧客とのコミュニケーション力
・やってみる。そこからわかる課題に取り組んでいくことが重要
■ご紹介ムービー撮影裏話（イーベイ・ジャパン）
インタビューの撮影は弊社イベントと同日の2月初旬に予定が組まれていました。イベントは、新型コロナウイルス対策の自重モードの先駆けとして、3日前に中止を発表しました。もう一方の、ご紹介ムービーの撮影も危ぶまれましたが、「僕は全く気にしていませんよ」と、前向きにご協力くださったのが大谷さんです。クールなたたずまいの中の始終熱く前向きな言動に、とても勇気づけられました。
インタビュー撮影風景①
インタビュー撮影風景②【eBay Seller Shorts in Japan＜セラーご紹介ムービー＞】
他にもある！セラー紹介ムービー▶▶
https://www.ebay.co.jp/seller-shorts各国のeBayセラーを紹介するSNSでも人気の動画コンテンツです。米国やドイツ版も作成されており、 セラーとバイヤーつなぎ安心安全なマーケットプレイスの提供を掲げるeBayらしい楽しい「出会いの場」になっています。
