2022.05.09

注目キーワード上位に『EC、D2C、ライブコマース』がランクイン 日経クロストレンドが「トレンドマップ2022上半期」発表

日経BPは5月6日、マーケティング&イノベーション専門メディア「日経クロストレンド」において作成した、「マーケティング」「テクノロジー」「消費トレンド」の潮流を見極める「トレンドマップ 2022上半期」を発表した。注目キーワードをランキング化しており、「将来性」「経済インパクト」双方においてマーケティング分野の1位にランクインした「EC(ネット通販)」をはじめ、「D2C」「ライブコマース」といったEC関連のワードが上位にランクインした。

「日経クロストレンド」は、マーケティング戦略や商品開発、新事業創造などの情報を提供するデジタルメディア。このほど、様々なバズワードが飛び交い、変化の激しい「マーケティング」「テクノロジー」「消費」の3分野の中から、中長期的に注目すべきトレンド(潮流)の見極めを目的とした「トレンドマップ 2022上半期」を発表した。

同調査では、「日経クロストレンド」編集部がマーケティング分野の29キーワード、テクノロジー分野の27キーワード、消費トレンド分野の29キーワードの計85キーワードを選定。それぞれのキーワードを認知する人に、そのキーワードの現時点での「経済インパクト」と「将来性」を5段階で尋ねてスコアリングを実施。「日経クロストレンド」の活動に助言する外部アドバイザリーボード約50人と、編集部の記者など各分野の専門家の知見を集約しており、分析結果は「現時点での経済インパクト」と「将来性」の2つのスコアでマッピングしている。

【トレンドマップ2022上半期のキーワードランキング】


なお、今回の調査で追加した新たなキーワードは、マーケティング分野の「メタバース」と、テクノロジー分野の「Web3(ウェブスリー)」、消費トレンド分野の「クリエーターエコノミー」「移動ポイント(エコな移動によるポイント獲得)」の4つとなる。調査の実施時期は、2022年3月下旬から4月上旬。18都道府県に適用されたまん延防止等重点措置が解除され、アフターコロナへの機運が高まる中での調査となった。

【新たに追加したキーワードの将来性スコア】


2021年8月に実施した前回調査と比較し、今回「将来性」スコアが最も伸びたのは、マーケティング分野では「音声SNS」、次いで「インフルエンサーマーケティング」「ライブコマース」だった。また、テクノロジー分野では「空飛ぶクルマ」、消費トレンド分野では「人生100年時代」「インスタ映え」た上位にランクインした。

【各分野でスコアを伸ばしたキーワードランキング(2021下半期調査との比較)】


「経済インパクト」スコアは、マーケティング分野で「デザイン思考」「SDGs(持続可能な開発目標)」が浮上し、テクノロジー分野では「カーボンニュートラル(温暖化ガスの排出実質ゼロ)」「クラウド」、消費トレンド分野では「サステナブル・エシカル消費」「キャッシュレス決済(QRコード決済など)」が躍進した。

「トレンドマップ2022上半期のキーワードランキング」では、将来性」「経済インパクト」双方において、マーケティング分野の1位は「EC(ネット通販)」だった。「将来性」のマーケティング分野の2位には「D2C」がランクインした。

【マーケティング分野のトレンドマップの例】


マーケティング分野では「SDGs」、テクノロジー分野では「カーボンニュートラル」、消費トレンド分野では「サステナブル・エシカル消費」が、前回の調査より経済インパクトのスコアを大きく伸ばした。これらのキーワードが3分野で並び立つのは、2018年の調査開始以来初となる。

2020年10月、政府によって「2050年カーボンニュートラル宣言」が行われた。2021年4月には2030年における温暖化ガスの13年対比46%削減目標が表明されるなど、ターゲットが示されたことで企業の取り組みが本格化し、消費者の意識も大きく変化してきた。環境や社会課題への貢献が、実経済への本格的なインパクトを伴う時代に入ったと言えるとしている。

「音声SNS」は「Clubhouse(クラブハウス)」の熱狂的なブームは過ぎ去ったものの、若者の間ではラジオやPodcast(ポッドキャスト)などを聴く習慣が徐々に広がっている。誰でもインターネットラジオを“開局”できるサービス「Voicy(ボイシー)」や、音声通話アプリ「パラレル」なども成長を続けており、今後は音声広告市場の拡大が見込まれるとしている。

「ライブコマース」は、日本では冬の時代が続いてきたが、「17LIVE(ワンセブンライブ)」や「Pococha(ポコチャ)」といったライブ配信アプリが着実に伸びている。急拡大している個人を中心とした経済圏「クリエーターエコノミー」やD2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)ブランドとの相性がよく、本格普及への期待が調査結果に表れた形となった。

インターネット上に仮想的につくられた、いわば現実を超えたもう1つの世界である「メタバース」と、ユーザーが自らデータを共有・管理しながら運用する分散型インターネット「Web3」は、いずれも世界で大規模な投資が行われている。しかし今回の調査では、両者とも将来性スコアで高水準の目安である「4.00」を下回り、中程度の評価に留まった。バズワードとして急速に浸透した反動で、現在はそのビジネスへの影響度を冷静に検討する段階に来ているとみられるとし、今後さまざまな業界が関わりを持つようになると、一気に成長期待も高まってくると推察している。

「トレンドマップ 2022上半期」の全キーワードのスコア、詳細な解説記事は、「日経クロストレンド」のWebサイトで公開している。




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