2020.04.09

消費者庁、通販4社に措置命令 EMS機器、優良誤認で

措置命令を受けたオークローンマーケティングの「スレンダートーン アブベルト」

消費者庁は3月31日、ECサイトや通販番組などでEMS(電子筋肉刺激)機器を販売していた通販4社に対し、景品表示法違反で措置命令を行った。自社ECサイトや通販番組において、優良誤認に該当する表示違反があった。措置命令を受けた通販各社は、広告表示のチェック体制を強化、再発防止に努めるとしている。

措置命令を受けたのは、オークローンマーケティング、ディノス・セシール、プライムダイレクト、ヤーマンの4社。表示媒体において、各社とも打ち消し表示を行っていたが、各商品の効果に関する認識を打ち消すものではなかった。表示期間は各社合わせて17年5月23日から19年9月6日。

オークローンマーケティングは、これまでにも数回にわたって景表法違反による措置命令を受けてきたことを踏まえ、「これまでも広告表示の社内審査は行っていた。今後は審査の強化と、社内研修を実施し、再発防止に努める」(パブリックリレーションズセクション)としている。

ディノス・セシールは、「(ウエスト)―8.6cm」などと数値を用いた広告表現をしていたことに言及し、「今後、数値を使った表記は行わない方針」(広報室)としている。

プライムダイレクトの親会社であるアイケイは「社員教育の徹底を行う」(管理チーム)と説明。連結業績への影響などは、判明次第、詳細を明らかにするという。

ヤーマンは広告表現と合わせて、モニター管理の仕方も見直すとしている。



【専門家に聞く】〈公益社団法人日本通信販売協会 万場徹専務理事〉

自制的な広告表記を


EMS機器の販売について消費者庁から景表法違反で措置命令を受けた通販4社のうち3社が正会員となっている公益社団法人日本通信販売協会(JADMA)の万場徹専務理事に意見を聞いた。
 
「消費者に効能・効果を想起させるような商材については、事業者が広告表記に気を付けるしかない。ただ、消費者庁の基準が明確に示されておらず、事業者にとってやりづらいのは確かだ。4社とも、表記の裏付けとなる根拠として消費者庁に資料を提供したが、合理的根拠として認められなかった。なぜ認められなかったのかは、事業者には分からない。措置命令を受けて4社が公表したように、自社のチェック体制を強化し、自制的に広告表記をするしかないと感じている。消費者庁がガイドラインを設けたとしても、必ずしも良い結果になるとは言えないと思う。実際はグレーゾーンの表現だとしても、ガイドラインの線引きに合わせて調整する事業者が出てくると考えられるからだ。」

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