2022.01.14

【<インタビュー>ベルヴィ 宮崎義則CEO兼COO】ギフトECナンバーワンへ 来期売上目標は85億円

ベルヴィ 宮崎義則CEO兼COO


ギフト通販の「ソムリエ@ギフト」を自社ECやモール店舗で運営するベルヴィは、2021年5月期の売上高が前期比30.0%増の52億5400万円となった。今期(2022年5月期)の売上高は75億円を計画。2023年5月期は売上高85億円の達成を目指す。将来的に「ギフトECナンバーワンを目指す」と意気込む宮崎義則CEO兼COOに、成長戦略について聞いた。


――コロナ禍も堅調に売り上げを伸ばしている。

2020年2月ごろに国内でコロナ禍が本格化してから、徐々に引き合いが高まってきた。コロナ禍前と比べても顕著だ。例えば「母の日」。2021年の「母の日」における売上高は前年の1.5倍となった。この売上高は2019年の「母の日」と比べると3倍となる。コロナ禍による消費者マインドの上昇が続いていることが分かる。コロナ禍2年目となった2021年は、2020年と比べると伸長が緩やかになったが堅調に上乗せできた。


消費者からのニーズが堅調に増加している(画像は「ソムリエ@ギフト」公式サイトトップページ)

――今後は売上高の積み上げをどのように計画しているのか。

今期(2022年5月期)の売上高は75億円で着地する見通し。これを踏まえて2023年5月期は85億円を目指していく。2024~2025年には、売上高100億円の達成を描いている。顧客が「何を贈ろうかな」と思ったときに、まず、当社の自社ECサイトやモールの出店店舗にアクセスしたくなるような、ギフトのセレクトショップを目指していく。


安さよりも「質」で勝負


――売り上げ拡大の成長戦略は?

やみくもに安さを売りにするのではなく、商品とサービスの質の高さを武器にしたいと考えている。そのために、クロスセルで顧客が買い回れるような品ぞろえと、ギフト専門店ならではのホスピタリティーが欠かせない。買いやすさ、贈りやすさにつながる。

当社の顧客は、結婚の内祝いや出産の内祝いを目的に利用しているケースが多い。現在の品ぞろえは、この需要に応える商品展開が中心だ。カタログギフト、名入れギフト、タオル、和菓子、洋菓子などだ。近年は、キッズアパレルのラインアップ拡充にも力を入れている。将来的には、売上高に占めるアパレル商材の割合を5億円に引き上げていきたい。また、21年のクリスマス商戦からは、子ども向け玩具の取り扱いも始めている。クリスマス商戦では玩具の売り上げが想定の約2倍で推移し、手応えを得た。


ユーザーは結婚や出産の内祝いに利用する人が多い

近い将来、売上高が100億円規模になったら、品ぞろえはさらに見違えるほど豊富になると思う。その規模になれば、著名なブランドの出品がこれまで以上に見込めるからだ。美容機器や調理器具など、さまざまなジャンルで価格帯の幅も広がる。価格帯や嗜好(しこう)性が近いブランドは相互送客にもつながる。

ブランドの取り扱い企業には、雑貨店など従来の卸売り先だけにとどまらず、ギフトECへの出品が顧客獲得に向けた新たな市場になることを知ってもらいたい。当社にとっては、今後の成長に向けた分岐点になると捉えている。安さではなく、商品とサービスを重視するという現在の方向性のまま、新しいものを取り込んで成長していく。

また、リピート率を引き上げる施策にも挑戦していきたい。この他、プライベートブランド(自主企画)商品の拡充にも力を入れていく。

――ギフト専門店ならではのホスピタリティーとは?

ECモールでギフトを買い物するとき、顧客が「買いにくい」と感じやすい点をフォローしている。通常、ギフト用に商品を購入するとき、購入画面の備考欄に記述しなければ、ギフトとしての買い方がしづらい。当社は、顧客がスマートに「ギフト設定」できる仕組みを独自に開発し、各モールの店舗に組み込んでいる。こうした利便性を追求・拡充し、さらなる「買いやすさ」を磨いていく。風呂敷包みの対応や、高級感のある化粧箱など、ギフト専門店ならではの提案も掘り下げていきたい。

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