2021.12.06

「北欧、暮らしの道具店」、スマホアプリが150万DLを突破 EC売上の6割がアプリ経由に

ライフカルチャープラットフォーム「北欧、暮らしの道具店」を提供するクラシコムは12月2日、「北欧、暮らしの道具店」のスマホアプリが150万ダウンロードを突破したと発表した。あわせて売上実績について、アプリ提供前に比べ年間売上が約1.7倍増の45.3億円に伸長し、現在は月間EC売上の56%がアプリ経由となったと発表した。アプリの成功要因について、導線のシームレス設計、YouTube動画の活用、ウィジェットの活用の3点だと分析している。

「北欧、暮らしの道具店」では、SNSからの誘導だけに依存しないリピートユーザーの獲得と、同社が提供する商品ページ・コラム・動画・ポッドキャストなど多様なコンテンツをシームレスに移動が可能な独自プラットフォームを構築するため、2019年11月にiOSアプリ、2020年4月にAndroidアプリの提供を開始した。両アプリが揃った2020年4月から、1年間で100万ダウンロードを突破し、1年半となる2021年10月には150万ダウンロードを突破した。スマホアプリのダウンロード数は提供開始から右肩上がりで増加しており、さらなる利用者の拡大が見込めるとしている。

スマホアプリは売上向上にもつながっており、アプリ提供前の2019年7月期の売上27.4億円に対し、アプリ提供後の2021年7月期には年間売上が約1.7倍増の45.3億円となった。また、スマホアプリが150万ダウンロードを突破した2021年10月のEC購入比率は、56%がスマホアプリ経由となり、Webサイト経由よりも高い割合となったと発表した。



スマホアプリの成功要因には、導線のシームレス設計、Youtube動画の活用、ウィジェット活用の3点を挙げた。1つ目の導線については、商品購入ページから動画・音声コンテンツまで、様々なコンテンツをスワイプ一つで遷移できるシームレス設計を徹底。巡回促進、購買や顧客のファン化につなげた。スマホアプリでは、商品が購入できる「商品」、コラムなどが読める「記事」、ドキュメンタリーやvlogなどの動画が観られる「ビデオ」、スタッフ同士の雑談やエッセイの音読が聞ける「ラジオ」のコンテンツを配信しており、スワイプするとすぐに見たいコンテンツに移動できる点や、全コンテンツを一覧化してブックマークできる「お気に入り機能」などシームレスな設計が好評を博し、Webページを利用していた既存顧客が徐々にスマホアプリへ移行している。



2つ目のYoutube動画の活用では、アプリの利用啓発のために紹介動画を作成し、YouTubeで配信した。「北欧、暮らしの道具店」の世界観や、アプリを日常的に使うイメージを持った上でダウンロードしてもらえるよう、同店の公式YouTubeチャンネルでの人気動画シリーズ「わたしの好きな時間」でアプリのある生活を描いた動画を制作。登場人物が暮らしの中の何気ない時間にアプリを利用し、見つけたレシピで料理を楽しむ様子など日常的な利用を想起させるストーリーの動画により、既存ユーザーへのアプリ移行を促進した。さらに広告配信も行うことで新規ユーザーも獲得し、アプリのダウンロード数は2倍増の伸びとなった。

3つ目のウィジェット活用では、2021年2月にスマホアプリを開かなくてもホーム画面上で更新情報を受け取ることができる機能「ウィジェット」を追加した。現在「北欧、暮らしの道具店」では、ウィジェットを通して1日に3回程度、写真を添えて新着商品や配信時間帯に合わせたコラムやレシピなどの情報を配信し、アプリの起動を促している。アプリの起動の促進には、スマートフォンのロック画面やホーム画面にアプリから自動的に通知する「プッシュ通知」の利用が一般的だが、他のアプリの通知に埋れてしまうことや、テキストやサムネイル画像表示のみとなるため表現方法に制限があることに課題を感じていたという。一方、ウィジェットは、運営者は時間帯に合わせて最適なコンテンツと画像を配信することができ、ユーザーもプッシュ通知のような煩わしさを感じることなく、好きな時にタップしてアプリを起動することができる。双方にとって利点の多い機能であるとした。

ウィジェットで通知を行うには、ユーザー側で設定を行う必要があるため、2021年3月に「わたしの好きなおうち時間」シリーズでウィジェットの機能や設定方法を解説する動画を公開し、具体的な追加方法をまとめて紹介。これによりウィジェットを通じたスマホアプリの起動数は約2倍に増加した。機能搭載から1年未満で、ウィジェットからアプリを起動する人は、DAU(1日当たりのアクティブユーザー)の約10%を占める。さらに平均して1人当たり月に15回、半数以上の人が6カ月後も継続してウィジェットからアプリを起動しており、アプリの継続利用にもつながっているとした。ウィジェットの導入によりユーザー利便性とアプリの利用頻度が上がり、アプリ経由での売上が向上したとの考えを示した。



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