2021.11.29

【注目素材】古代米由来素材「ライスベリーパウダー」、ミトコンドリア活性化 血糖降下作用も確認

タイ原産の古代米由来素材「ライスベリーパウダー」


健康食品や浄水器の製造・卸を行うミネターが提案する、タイ原産の古代米由来素材「ライスベリーパウダー」は、ミトコンドリアを活性化する働きを持つことが試験により確認されている。臨床試験や動物試験の結果からは、さまざまな効果が明らかになってきており、直近で行った動物試験では、血糖降下作用も確認されている。



ミトコンドリア活性化も明らかに

「ライスベリーパウダー」は、タイ原産の古代米同士を掛け合わせた「ライスベリー(紫米)」に、超高圧加水分解の特殊加工を行い製造する。同社では2018年4月に供給を開始した。同素材には、幅広い効果があることが、これまでの研究で明らかになっている。

ライスベリーパウダーには、ミトコンドリアを活性化する働きがあることが明らかになっている。

米国のエモリー・スクール・オブ・メディシンのニール・シデル教授と、タイ王立軍医科大学のサヤン・サワツリ博士が共同で行った、神経芽腫細胞を用いた試験では、ライスベリーパウダーに含まれる、アルファ化された多糖類ペプチド「α―PSP」に、神経保護作用があることが確認された。用量を増すほど効果が高まることも分かった。この結果から、ミトコンドリアにおけるATP産生が増加している可能性が示唆されたという。

この結果を受けて同社では国内でも、ミトコンドリア賦活に関する試験を実施。同試験では、マウス培養細胞に筋肉の元となる細胞を形成させ、ライスベリーパウダーを添加した。その結果、ライスベリーパウダー添加群では、試験開始後48時間目において、無添加群に比べ、ミトコンドリアの活性が有意に高まることが確認された。濃度を増すほど、活性が高まることも確認。10ミリグラム/ミリリットルの濃度では、無添加群よりも55%活性が高くなった。これらの結果から同研究では「ライスベリーパウダーにはミトコンドリアの活性を賦活する効果が認められた」と結論付けている。


ライスベリーパウダー摂取で血糖値が減少

2020年には、糖尿病モデルマウスを用いた新たな動物試験も実施した。同試験では、糖尿病モデルマウスを(1)ライスベリーパウダー規定量群(2)同2倍量群(3)対照群─の3群に分け、固形飼料に混ぜる形で6週間給餌した。

その結果、ライスベリーパウダー規定量群では、試験終了時の平均血糖値が、対照群比で30%減少。同2倍量群では、対照群比で38%減少した。2倍量群においては、対照群比で有意な減少が確認された。

糖尿病の指標となる「HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)」の値については、規定量群と2倍量群の両方で、対照群比で有意な減少が確認された。

これらの結果から同研究では「ライスベリーパウダーは血糖降下作用を有することが示唆された」と結論付けている。

なお、国内の試験機関では、糖の取り込み試験も実施している。

同試験では、インスリン存在下において、ライスベリーパウダーの添加によって、糖の取り込みが顕著に増加することが確認された。


ヒト臨床試験でも有効性を確認

同素材の有効性については、ヒト臨床試験でも検証を行っている。

アジア人の糖尿病患者767人を対象にした、3カ月間の連続摂取試験でも有効性と安全性が確認されている。

国内では、オープンのヒト試験を、順天堂大学と共同で実施。30~50代女性6人に4週間同素材を摂取させた試験の結果からは(1)血清中アディポネクチン量の増加(2)酸化ストレスの低減(3)交感神経の低下と、副交感神経の増加(4)気分プロファイル(POMS2)における、ネガティブ因子の減少と、ポジティブ因子の増加――といった結果が示唆されているという。

同社では、今後も、ライスベリーパウダーに関する研究を推進していく考え。来年には、血糖値の変動などを調べる新たなヒト試験の実施を予定しているという。

なお、同社では、「ライスベリーパウダー」について、素材供給だけでなく、最終製品のOEM供給にも対応するとしている。

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