2021.12.01

【年末商戦も間に合う?!】コロナ禍に拡大!「越境EC」新規参入で成功する方法を「Ship&co」と「FedEx」に聞いた


日本から海外の消費者に販売する越境EC市場は、コロナ禍に拡大している。以前は中国など東アジア向けが主流だったが、コロナ禍に欧米向けや東南アジア、その他の地域向けの取り引きも急成長している。販売エリアが拡大したことで、売れる商品や単価、取引形態も徐々に変わってきているという。着実に成長する越境ECを始めるために重要なポイントを、国内外のEC出荷を一元管理できる「Ship&co」のベルトラン・トマ代表と、海外配送大手のフェデックス エクスプレスのマネージング ディレクター 清澤正弘氏に聞いた。越境ECの変化や参入のために便利でお得なサービスなどについて教えてもらった。


コロナ禍に越境ECの注文件数が1.5倍


――コロナ禍に越境ECはどのように成長しましたか?

ベルトラン(Ship&co):当社はもともと「Bento&co」という弁当箱の越境ECから事業を開始しています。コロナ禍に注文件数は1.5倍くらい増えています。伸び方は国・地域によってバラバラで米国向けが特に伸びました。ただ、海外店舗向けの卸売りはほとんどゼロになりました。

清澤(FedEx):フェデックスはECにフォーカスした配送サービスを提供しています。越境ECはここ3、4年で毎年取扱高が二桁増で伸びています。

コロナ禍になり、多くの人がオンラインでモノを買うようになり、越境ECにもその影響が顕著に出ています。以前は日本のメーカーの海外倉庫向けに配送するBtoBtoCの流通を支援するケースが多くありましたが、最近は、海外の消費者に対して配送するBtoCの流通を支援するケースが増えています。


フェデックス エクスプレスのマネージング ディレクター 清澤正弘氏

――拡大する越境EC市場で成果を上げるポイントは?

ベルトラン:越境EC市場は拡大していますが、参入企業も増えています。「Bento&co」のマーケティングコストは上昇傾向にあります。マーケティングも単純な方法ではなく、ブランドのメッセージやストーリーを伝えるようなコンテンツを工夫するなど、面白いアプローチを強化すると集客しやすくなると思います。日本の商品の情報を求めている海外の方は増えていると思うので、コンテンツにこだわることで成果は出やすくなっています。

メディアやプラットフォームが増えているので、その活用にもチャンスがあります。ショップによってインスタグラムなのか、ピンタレストなのか、TikTokなのか、商品やブランドに合うメディアを選定して、情報を発信することが効果的だと思います。

物流や配送も重要で、商品の単価や内容によって早く受け取りたいという顧客がいます。そういう場合はフェデックスなどエクスプレス便で届けることで、購入のハードルが下がり、リピートにつながります。


自社機で滞りなく世界へ配送


――コロナ禍に国際輸送サービスが制限されることもあったがフェデックスの状況は?

清澤:コロナ禍に郵便局のEMS(国際スピード郵便)が一部取り扱いを停止したこともあり、当社への依頼や問い合わせが増え、越境ECに取り組んでいる事業者の多さに改めて驚かされました。

従来、フェデックスの売りは「早く届く」ことでしたが、コロナ禍で「届けることができる」ことが選ばれる理由になっています。「EMS」を含む他社の配送サービスは現時点で、一部制限が残るサービスもあるようです。

国際航空貨物の輸送方法は主に、旅客機の貨物スペースを利用して輸送するケースと、貨物専用機を利用するケースの2つがあります。前者の場合、海外渡航が制限され旅客機が減便している現在では、旅客機が輸送できる貨物量も減っており、配送サービスに制限が出ることもあります。一方、われわれは自社で650機もの貨物専用機を保有し、それらを駆使して輸送する航空会社でもあるため、比較的安定して荷物を届けることができます。米国にもヨーロッパにもアジアにも自社機による輸送ルートがあり、感染拡大が発生から今日まで、ほとんど中断することなくお客さまの荷物を届けることができています。

RECOMMEND合わせて読みたい

RELATED関連する記事

RANKING人気記事