2021.11.18

【「独身の日」商戦/有識者の声】〈フューチャー 小柳みゆ社長〉動画プラットフォームに注力 早期進出で先行者利益狙う

小柳みゆ社長

フューチャーでは、フューチャーグループで長年にわたって積み重ねてきた知見・ノウハウを生かし、日本企業の中国越境ECへの進出を一貫支援している。小柳社長自身はKOLとしても活動しており、現在の総計フォロワー数は約90万人。越境EC支援サービスを、グループ会社を有効活用しながら、外部の中間業者を挟まずに、極力「直接」提供できる点が強みだという。
 
同社は、越境ECという分野において、プロモーション会社、メーカー、EC事業者、インフルエンサーという多様な側面を持つ。今年のW11にも、多様な側面から取り組んだとしている。特に注力したのが「動画」プラットフォームへの対応だという。
 
今年のW11について同社では、「中国版TikTok(ティックトック)『抖音(ドウイン)』を筆頭に、動画プラットフォームの成長ぶりがすさまじかった」(小柳みゆ社長)と話す。「将来的には中国EC市場の勢力図を塗り替える可能性が高い」(同)とも指摘している。
 
「動画ライブ配信は、売り上げが上がりやすい。先行者利益を得るためには、今の段階から早期進出をしておくことが欠かせない」(同)と言う。
 
「抖音」では、単尺動画の投稿やライブ配信を行える。昨年からは、同プラットフォーム内で、ECの購入までをすべて完結できるようになった。フューチャーでは、「抖音」だけでなく、香港市場上場企業の動画プラットフォーム「快手(クワイショウ)」などにも注目し、対応を強化したという。

同社は「天猫国際(Tモールグローバル)」に健康食品の自社店舗を出店している。こうした中国の大手ECプラットフォームの仕組みは、年々複雑化しているそうだ。今年のW11で新しく登場したのが「予約金」だという。
 
消費者が事前に予約金を入金することで、割引購入が可能になる仕組みだ。こうした変化は、めまぐるしいスピードで起こっているため、中国事情に明るいパートナー企業との連携が欠かせないという。
 
「W11のような商戦に参加するには、商品の登録など、前々から準備を行う必要がある」(同)とも話す。「中国EC商戦で勝つためには、長期的な視点が必要だ。販促やブランディングなど、日々の積み重ねが欠かせない。テストマーケティングからスタートするなど、今の時期から準備を始めるたことを、当社では推奨している」(同)と言う。



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https://netkeizai.com/articles/detail/5069





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