2021.11.15

フューチャーショップ、7~9月の流通額は昨対比111%の426億円 「ギフト」は昨対比166%と好調

フューチャーショップは11月12日、SaaS型ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」シリーズにおける利用店舗の2021年7月~9月の流通額と、注文件数や購入単価などの調査の結果を発表した。流通額は昨対比111.37%の426億円(昨対比111.37%)で、業種別の昨対比では前回の調査でも好調だった「ギフト」が今回も強い伸びを見せた。一方で昨年は厳しい状況にあった「旅行用品・旅行予約」も好調だった。

「futureshop」シリーズにおける利用店舗の2021年7月~9月の流通額は昨対比111.37%の426億円で、再び2ケタ成長へ転じた。生活者を取り巻く環境として、7月上旬に緊急事態宣言が発令、8月下旬には21都道府県に拡大した。この状況が影響してか、EC利用が増加傾向にあったとしている。

「futureshop」シリーズを1年以上継続利用している店舗の流通額昨対比上位5業種は、1位が「ギフト」で166.68%。以下、「ダイエット・健康」(163.95%)、「本・CD・DVD」(151.88%)、「楽器・音楽機材」(143.74%)、「旅行方品・旅行予約」(134.33%)と続いた。毎回の調査同様に巣ごもり期間を充実させるアイテムがよく購入された。自粛期間の長引き、健康に対する関心が高まった影響か「ダイエット・健康」も売り上げを伸ばした。また、昨年は厳しい状況だった「旅行用品・旅行予約」と、解除後への期待がうかがえる業種が流通額昨対比の上位に入った。

7月~9月の各月の注文件数が100件以上の「futureshop」シリーズ利用店舗の中から、500店舗を無作為に抽出して実施した、期間中の生活者のEC利用状況調査では、注文数・注文単価の変化、新規顧客の利用状況、決済手段の変化を調査した。

注文件数の変化は、デバイス全体の注文件数が昨対比115.85%となった。デバイス別に見ても、すべてのデバイスにおいて増加し、毎回の調査と同様、スマートフォン経由の購入が特に高い伸びを見せた。一方月別では、9月が126.47.61%と最も大きく伸びた。この時期の緊急事態宣言は、7月12日を皮切りに8月12日、8月20日、そして8月27日に発表され、対象となる都道府県が拡大した。その後、9月30日に解除されるまで、9月は外出を控えECでの購入が増加したと推測している。

購入単価の変化は、スマートフォン、PC共に増加。両デバイスとも各月の昨年同月比110%前後で推移している。もっとも購入単価が高かった9月は、スマートフォンが1万3563円、PCが1万6413だったおおむねPCが2割ほど購入単価が高い結果が継続している。ECでの購入単価は昨年同月と比べて挙がっており、この傾向は2020年10月~12月期の調査から継続している。

新規顧客利用状況は、昨年同月比で7月が112.17%、8月が119.99%、9月が135.57%だった。外出を控える動きからか、緊急事態宣言期間が長引くにつれ増加した。昨年見られた、新規利用が2倍になるなどの急増は、今後日常生活を取り戻していく中で難しいと推測している。しかし、新規利用が2倍になった1年後もEC利用は伸び続けていることから、「ECに力を入れるのをやめる」のではなく、今後とも顧客との継続的な接点として運営を続けていくのが好ましいとの見解を示した。

買い回り・まとめ買いをしやすいECサイトの導線設計など、「新規顧客・リピーターそれぞれに向けた必要な情報や導線が設計されている」といった視点からのECサイトの改善、実店舗の運営をしている店舗は、OMO(Online Merges with Offline)、つまりECサイトと実店舗、それぞれの良さを生かした販売施策が売上アップを実現する要素となりそうだとしている。

決済手段の変化では、昨年と比較し、「ID・QR決済(Amazon Pay、楽天ペイ(オンライン決済)、Apple Pay、PayPay、d払いやキャリア決済など)」の利用が増加した。「クレジットカード」は同程度の利用で推移しており、「現金・その他」は減少という結果となりました。決済方法を3種類とも提供している店舗に限定した場合、2021年では「クレジットカード」と「ID・QR決済」を合わせ、4人に3人がキャッシュレスでの決済を行っており、現金以外での決済利用が進んだ結果となった。

【各月決済手段の割合/件数(調査対象店舗全体)】


現在米国でBNPL(Buy Now Pay Later。いわゆる後払いだが、手数料が購入者に発生しないなどの特色がある)が、主に若年層で普及の兆しを見せている。現在、日本ではクレジットカード利用が一番多いという結果だが、今後新たな決済方法が出ないとは限らないとし、ポイント付与など金銭的インセンティブ、決済情報入力を簡素化する利便性向上、支払回数を柔軟に変更できるといった柔軟性を武器にシェアを拡大していくことも想定されるとしている。

各決済方法の成長率を見ると、「ID・QR決済」が他の決済方法と比較し、利用が増加している傾向が見られた。一方で9月は、新規利用増加の影響、特に現金志向の年代の利用増の影響か、「現金・その他」の利用が増加した。



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