2021.11.09

ACD、中国「独身の日」で売上7倍 中国向けECサイト「全日空海外旗艦店」の実績を速報

ANAホールディングスが出資する中国市場開拓支援サービスを提供するACDは11月8日、中国の年間最大級の商戦「ダブルイレブン(独身の日)」での売り上げ速報を公開した。中国向けオンラインショップ「全日空海外旗艦店」のダブルイレブン初日の開始1時間の売上が昨年の7倍を記録したほか、ショッピングモール「天猫国際」の清酒焼酎売上ランキングでは取り扱い商品4商品がトップ10に食い込むなど、好調な出だしとなっている。

ACDは、全日空の冠のもと日本の特産品や逸品を販売する、中国向けオンラインショップ「全日空海外旗艦店」を運営。越境EC実績を認められ、2020年にアリババ社よりオファーを受け中国市場最大のECプラットフォーム「Tmall Global(天猫国際)」に出店、今年9月からは「京東(JD.com)」にも出店している。

今年の「天猫ダブルイレブン」は、第1期が11月1~3日(予約販売は10月20日から)、第2期が11月11日(予約販売は11月4日から)となっており、「全日空海外旗艦店」は11月1日の開始1時間で昨年の7倍の売上を記録したと発表した。また、「天猫国際」の清酒焼酎売上ランキングでは、取り扱い商品4商品(1位「日本盛」、2位「風の森」、6位「DAIYAME」、8位「庭の鶯」)がトップ10に食い込むなど好調な出だしとなった。店舗ランキングにおいても「天猫国際」内の「清酒、焼酎カテゴリー」で初日を通してリテール海外店舗で1位を獲得した。

この結果を受け、人気の鍵として、セール前からの継続的な情報発信と、中国文化に合わせた飲み方や包装の提案を挙げた。ACDでは、「WeChat視頻号(チャンネル)」の公式メディア「日本旅游指南」や、淘宝(タオバオ)LIVEにて、セール期間のみならず継続的に短編動画の投稿やLIVE配信を通じて商品情報やストーリーの発信をしている。商品の包装や飲み方に関しても中国市場に向け独自の取り組みを行っている。

ランキングにも食い込んだ「DAIYAME」は、オーソドックスな炭酸で割る飲み方よりも「美味しいから試してみて!」と、現地の中国人の人々から青森りんごジュース割りの逆提案があったことを受け、同じく「全日空海外旗艦店」で取り扱う「青森りんごジュース」とセット販売をしたところ、飲み方が話題となり人気を集めている。また、同じくランキングでも上位となっている「風の森」は、日本では化粧箱なしで販売しているが、中国の贈答文化に合わせて蔵元と連携し、専用の化粧箱を作成。11月11日のセールより展開を開始する。


ランキングに食い込んだ「DAIYAME」(左)と「風の森」(右)

中国における日本酒需要について、ACD代表の古居弘道氏は「若者を中心に、度数の高い白酒ではなく、アルコール度数の低い清酒や果実酒の人気が高まっています。中国アルコール市場は、日本では一般的な720mlや一升瓶ではなく少量(飲みきりサイズ)が主流のため、少量飲みきりサイズのものの人気が高いです。中国現地メーカーのお酒はエチケットや個装箱が個性豊かで見ていて楽しいものが多く、日本酒もエチケットなどデザイン性の高いもの、インパクトがあり目に止まるような商品が売れ筋となっています」とコメントした。

日本酒の中でも今回ランキング1位となった「生原酒」のようなボトル缶は、瓶が主流の中、スクリューキャップ付のボトル缶が目新しいこと、少量で試しやすいこと、また4種類の味をセットで販売することで飲み比べができて楽しいことから、若者を中心に人気を集めている。


ランキング1位となった「生原酒」

無駄を嫌う中国人にとって、「ちょっと飲みたい」時にグラスの準備もいらず、洗い物もなく、残ってもそのまま冷蔵庫へ保管できる、そんな手軽さも人気の一因だとしている。扱う商品も厳選しており、日本でも有名な人気の酒は中国の人々も既知なことが多いため、逆にレアな酒が注目されるよう仕掛けている。たとえばランキング2位の「風の森」は、全日空の機内でも提供していた日本酒で、管理の難しさから卸先が限定されているレアな商品となっている。




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