2021.11.05

【<徹底解明>モール物流戦争の行方】第4回 Amazon、独自の物流戦略が目指す未来


「マケプレプライム」、条件厳格化の衝撃


Amazonは独自の物流サービスを最大限に生かすため、「FBA」の利用率をさらに高めようとしている。

Amazonのサイト上で出荷・配送品質が認められた商品に付く「プライムマーク」に対応するためには、必ずしも「FBA」を活用しなくてもいい。自社倉庫や委託倉庫に保管している商品でも条件を満たせば「マケプレプライム」の対応商品として、「プライムマーク」を付けることができる。

ただ、今年7月から「マケプレプライム」の条件が厳格化された。条件の変更点はいくつかあるが、中でも「土日配送への対応」は「マケプレプライム」利用店舗にとって衝撃的だった。365日出荷に対応している委託倉庫を活用している店舗は問題ないが、自社倉庫から出荷している店舗は、土日もスタッフを稼働させなくてはならなくなった。


自社サービスへの囲い込みを強化か


ある店舗は、「『FBA』の利用を促進させるための措置だと感じた。ユーザー向けにも『プライム会員』以外の配送スピードが遅くなっていると聞いた。店舗向けには『FBA』の利用を促し、ユーザー向けには『プライム会員』への入会を強化しているように感じる」と話す。

楽天の「あす楽」やヤフーの「優良配送」も「プライムマーク」のようなサービスだが、条件はAmazonほど厳しくない。Amazonは自社の物流サービスへの囲い込みを、より強化しているように見える。

ある物流会社は、「Amazonは自社サービスの利用者を増やすとともに、さらに魅力的なサービスを提供する可能性がある。より安価な料金プランを『FBA』で出してくるかもしれないし、『プライム会員』向けにさらに便利な配送サービスを提供してくるかもしれない。すでに多くのユーザーをつかみ、サービスの基盤も強化しているAmazonにはたくさんの選択肢がある」と分析する。




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