2020.04.02

イー・ロジットとキャム、クラウドでオムニ対応 業務提携締結、販促を強化

キャムの下川良彦社長(写真左)とイー・ロジットの岡田光弘課長

通販物流支援のイー・ロジットと、システム開発のキャムは4月1日付で業務提携を締結し、キャムが開発・提供している基幹業務システム(ERP)の販促を本格展開する。システムはECやオムニチャネルへの対応が可能で、クラウドで提供するのが特徴。イー・ロジットの倉庫管理システム(WMS)とつなげるなど両社でプラットフォームを構築してEC事業者に提案していく。

2種類を用意


キャムが開発・提供しているのはERP「CAMMACS(キャムマックス)」。年商20億~30億円を想定した「Premium(プレミアム)」と、年商3億円未満向けの「Lite(ライト)」の2種類を用意している。

「キャムマックス」の特徴はオムニチャネルに対応。「プレミアム」はカスタマイズ仕様ながらクラウドで提供する。「アパレルなどのSKUに対応できるし、食品など賞味期限のロットにも対応できる。これをクラウドで提供しているのは、国内で弊社だけではないか」(下川良彦社長)と説明する。

イー・ロジットはEC事業者の商品管理や発送を受託する物流支援がメイン事業。ただ、ここ数年はクライアントであるEC事業者の業容が拡大しつつあり、「クライアントからERPに関する問い合わせをいただく機会が増えた」(通販物流事業部事業推進グループシステム課・岡田光弘課長)としている。

自前でERPの開発を検討したこともあったが困難と判断。既存システムの中から探していたが、なかなかいいものには出会えなかった。そんなとき取引先である金融機関からキャムを紹介された。2017年のことだ。

それから約2年間、互いのシステムが持つ強みを検証。双方のシステムを一緒にしてプラットフォーム化すると、成長過程にあるEC事業者にとって使い勝手のいいものができると判断した。

70社強が導入


イー・ロジットのクライアント向けには「プレミアム」を中心に提案する計画だ。「プレミアム」はカスタマイズのため、要望する機能に応じて見積もりを提案する。想定額はイニシャルコストで200万~300万円、月額は20万円(ともに税別)を予想している。

「キャムマックス」は営業やPRを行っていないが、すでに70社強が導入している。将来的には両社のプラットフォームに、決済サービスやCRMシステムなども加えていきたい考えだ。

キャムはもともと、中小企業の生産性向上に役立つことをモットーとしている。今回の業務提携締結も「中小企業にとって、リーズナブルで早く安全に使えることを訴求していきたい」(下川社長)と抱負を語る。

イー・ロジットは「『キャムマックス』を目にした第一印象は『すごいな』と思った。物流をつなげたら、すごいことができると分かった。両社にとって非常にメリットのある提携だと思う」(岡田課長)と期待感を示している。


イー・ロジット

「CAM MACS」

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