2021.10.28

【<徹底解明>モール物流戦争の行方】第3回 楽天、日本郵政と「料金」「サービス」の質向上へ


他モール注文分で優位


「RSL」の魅力はやはりコストだ。ヤフーとヤマト運輸の物流サービス「フルフィルメントサービス」が配送料で優位性のある料金を打ち出しているが、「RSL」の料金もさほど変わらない水準だといえる。

さらに「楽天市場」以外のモールや自社ECサイトで受注した商品を配送する際も同じ料金で対応する点では、アマゾンの「FBA」、ヤフーとヤマト運輸の「フルフィルメントサービス」に勝っている。「フルフィルメントサービス」では、期間限定で外部サイトの注文分の配送料を値下げしているが、あくまで期間限定の措置だ。


店舗が語る「不満」や「期待」


ある店舗は「通常時は良いのだが、セール時など配送遅延が発生することがある。『あす楽』とうたっている商品の配送が遅れてしまうと購入者からクレームになる。購入者からするとRSLだろうが、自社物流だろうが関係ない」と不満を述べる。

配送遅延についてはキャパシティーやオペレーション、システムの問題なので、いずれ解消するだろうが、店舗にとっては大きな問題だ。

配送サービスのクオリティーに期待する声は多い。

ある店舗は、「楽天は自社で物流サービスを構築しているので、今後は『楽天市場』のサイト上で受け取り方法の変更などができるようになるのではないか。日本郵便とユーザーにとってより良いサービスを構築してほしい」と語る。

ある物流会社は、「日本郵便と佐川急便が物流サービスの協業を進めている点に注目している。楽天は日本郵便を通して、佐川急便とも連携していくのではないか」と見ている。

楽天と日本郵政は、「オープンな物流プラットフォーム」を構築する構想を掲げている。どんなプレイヤーがこのプラットフォームに参加するのかにも注目が集まる。



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